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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■アッパレパソコン大合戦/『アニメージュ』6月号ほか
しげ、「はああああ!」と冷たさに悲鳴を上げるが、構わず2枚目を貼る。
「ふへえええええ!」
……こういうアホな声出して喜んでるなら大丈夫かな。
晩飯は昨日の仕出し弁当の余り。
一応、全員分を用意したらしいが、食べずに働いた人も多かったらしくて結構余りが出た。いくつか持って帰ってもらった人もいるのだが、それでもウチに三つ残っている。
その中から高菜弁当を選んで食べる。多分、しげは辛いもの苦手だから、これは食わないだろう。
……あ、奥さんのキライなモノを食べてあげてるんだ、優しいダンナサマ、などと勘違いしないで頂きたい。下手にしげの残しておいたもの食うと、あとで「私の食ったねえええええ!」と、悪鬼のような形相で迫ってくるのである。
だったらせめて冷蔵庫には入れておいてほしいもんだ。
『アニメージュ』6月号。
巻頭特集は巷で話題の個人アニメ『ほしのこえ』。
アニメージュ編集部は、ここ数年、「アニメとは何か」というマニアックな方向にどんどん進んで行っている気がする。しかし、読者の興味関心は相変わらず、美少女アニメや美形アニメ萌え〜の、声優萌え〜であるわけで、その乖離の具合はとんでもないレベルまで開いちゃったんじゃないだろうか。
この巻頭特集などはそのあたりを象徴しているように思う。
何しろ、「アニメグランプリ」を巻頭から押しのけて(ここ数年、アニメグランプリは全く盛り上がっていない)、個人制作アニメを特集しちゃうんだからねえ。オタアミ会議室でも話題になってたし、こうなるとぜひとも『ほしのこえ』、見てみたくなるぞ。
それはそうと、アニメグランプリの淋しさといったら、もう20年前の盛況ぶりが今となっては信じられないくらいだ。
1・2・3位の『フルーツバスケット』『犬夜叉』『スクライド』にケチをつけたいわけじゃないが、少なくともこの三作がベスト3になっちゃうとは、アニメージュの読者、殆どそれ以外のアニメを見てないんじゃないかね。
第一、1位の『フルバ』にして、得票数がたったの461票。
あの『千と千尋の神隠し』ですら7位で、118票しか取ってない。
この程度の得票では「ベストテン」なんて作れるはずもないが、これは単に投票者が少ない、という数の問題だけではないような気がしている。
日本人の五人に一人が見た計算になる『千と千尋』だけれど、それすらアニメージュの読者は見ていないのか、それとも見ていてかつ『フルバ』や『犬夜叉』を選んだのか。別に『千と千尋』がそれらのテレビアニメより格段に優れてるとまでは思わないが、「そういう読者しかいない」状況と言うのは、余りにも今の読者の住んでる世界が狭すぎはしないか。
またぞろエラソウなこと言いやがってと腹立てる人はいるだろうが、私は一応、ベスト20の中で一度も見たことないアニメ、『最遊記』と『シスタープリンセス』と『NOIR』の三本だけだったのだ。
少なくとも「お前こそ最近のアニメ見てないんじゃないか」とは言わせない。
私も含めて、第一オタク世代と言われる人たちは(この区切り方にはいろいろ異説があるので、まあ、『ヤマト』ブームにハマった世代としておこう)、誰に強制されたわけでもなく自然に過去のアニメ、あるいは特撮やSF映画をキチンと評価した上で「今のアニメ」を見ようという気持ちを確実に持っていたのだ。
日本アニメの歴史を語ろうと思ったら、戦前の大藤信郎の『くじら』や瀬尾光世の『くもとちゅうりっぷ』くらいはせめて見ておきたいと我々は思っていたし(実際、たまにテレビでやっていた)、「日本アニメのベストワンは?」と問われれば、すぐに『わんぱく王子の大蛇退治』『太陽の王子ホルスの大冒険』『長靴をはいた猫』などの東映アニメの傑作群が口をついて出た。
これらの作品は、制作後何十年も経った今見ても、決して古びてはいない。
それどころか、現在のデジタル技術では表現しきれない、細やかな演出がアニメ職人たちの技術に支えられてもいたのである。
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05月13日(月)
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