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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■さらばウルトラマン/『よろずお直し業』(草上仁)/『クロノアイズ』5巻(長谷川裕一)ほか
私は自分の頼んだオムライスシチューを少し分けてあげたのだが、こちらはしげの好みではなかったと見え、いつもなら「もうひと匙」と、二口目を食べるのに食べない。確かにちょっと油っこくてしつこい味ではあったが、でも別に腐ってるわけじゃないのになあ。
小市民のくせにこのあたりのスキキライはゼイタクである。
こういうスキキライさえなけりゃ、しげのために料理作ってやるのもイヤじゃないんだけど。
食事帰りにセガワールドに寄ったが、調子が悪くてUFOキャッチャー、全く取れない。ほんのちょっとしたタイミングを逃すと、取れるものも取れないしなあ。気がつくと千円つぎこんでたので止める。
このヘンで止めちゃうのが小心者なとこだが、別に私ゃギャンブラーじゃないのでこれでいいのだ。
マンガ、長谷川裕一『クロノアイズ』5巻(講談社・560円)。
クロノアイズのメンバーの中で、唯一、まだ正体がわかっていなかった野性のエルザ(^o^)、実はミトコンドリア・イブであったことが判明。
でもこの「ミトコンドリア・イブ」っての、私ゃガセっぽいと思うんだけどなあ。アフリカ人の女性って言ってたのもなんかあとで違ってるかもって、説が揺れ動いたみたいだし。第一、ミトコンドリアがパラサイトだって説だってまだ仮説の段階でしょ?
長谷川さん、前の「毛皮の生えた恐竜」の時もそうだったけど、ちょっと新説を取り入れるのにせっかちなところがあるんだよなあ。でも、「あとで恥かいても、今、この説が新しくてオモシロイからマンガに描く!」という前向きな姿勢は好きだな。
で……。
主役が死にました(^_^;)。
けど、なんたって作者が前向きな長谷川さんだからなあ。
絶対助かるよなあ。
たとえタイムパラドックスありまくりの設定になっちゃったとしても(^^)。今、臆面もなく「ヒーローは勝つ!」と言いきるマンガが描けるのは長谷川さんと島本和彦くらいのものだと思う。
……でも、二人とも女性のヌード描くとき、貧乳にする共通点があるのはなぜなんだろうな(^^*)。
草上仁『よろずお直し業』(徳間デュエル文庫・530円)。
日本のフレドリック・ブラウン、草上さんの連作短編集。英語タイトルがついてて、『MAGICAL Mr.Fix−It』とあるんだけど、こっちのタイトルで売ったほうが売れるんじゃないか(^^)。
デビュー当時のような、一読三嘆、これぞSF!と、読むものみな随喜の涙を流したという(ホントかよ)溢れる才気は薄まったものの、それでもSFの神髄を感じさせてくれる数少ない作家の一人が草上さんだ。
目に見えない「命のネジ」を回し、「時を戻す」ことで、一度壊れたものを元の姿に戻す特殊能力を持つサバロ。
彼のところには、思い出の彫刻や、名酒の壷や、恋人からの手紙など、「元に戻るはずのない」ものを復元してほしい、と願う依頼者がひっきりなしに訪れる。……あ〜、あれだね、『ドラえもん』の「タイム風呂敷」。あれのネタそのまんまだ。
それはそれで、先行するアイデアがあったからって、小説として出来が悪くなきゃそれは構わないことなんだけど、ちょっとラストがなあ……。
「あなたが直して来たのはモノじゃないわ、人と人の絆よ」って、登場人物の口から直接言わせるのは、いくらなんでもクサイし恥ずかしいよ〜。
それって、言われなくても解りきった事実じゃない? そんなんただの「説明」にしかなってないよ、小説家が一番やっちゃいけない手だ。昔の草上さんならこんな安易な結末は作らなかったのに、40代半ばを過ぎてついに才能が枯渇したのかなあ。
ちょっとした文章の匙加減の失敗で、感動を呼びそこなうことって、現実にあるのだ。最初の1、2話が面白かっただけに、惜しいなあ。惜しすぎるぞ。
02月27日(水)
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