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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■夫でも義理チョコ。……夫だから?/アニメ『七人のナナ』第6話/『金田一耕助の帰還』(横溝正史)ほか
『本陣殺人事件』『蝶々殺人事件』『獄門島』『夜歩く』『八つ墓村』『犬神家の一族』『悪魔が来りて笛を吹く』『不死蝶』『女王蜂』『白と黒』『悪魔の手毬歌』、どれ一つとして駄作はない。JETのマンガなんかで代用させるなよ。
この『帰還』は、一度短編として発表されたものの、後に長編化されたために、全集にも文庫にも収録されていなかったものを探し出して収録したものだ。横溝作品は手に入るものはなんでも、それこそ角川文庫はコンプリート、時代小説・捕物帳に至るまで読みまくった(でもまだ『朝顔金太捕物帳』とかは読んでない)私だが、さすがに原型作品は雑誌を捜すしかなく、2、3篇しか読んでいない。
こんな企画が通る日がまさか来ようとは、本気で生きててよかった。つくづくそう感じる。
確かに長編版に比べれば完成度は落ちるのだが、それでも『壺の中の女』(長編版は『壺中美人』)のトリックが違っていたりと見所は多い。
『毒の矢』『渦の中の女』など、今のネット環境のチェーンメール、迷惑メール
の問題を先取りしている。昭和30年代の作品でありながらモダンなのである。
金田一耕助シリーズは、一般的には岡山県を舞台にした地方モノの人気が高いが、実は彼の特徴の一つとして、「都会の孤独者」って面が明確にある(そりゃあんな汚らしい和服姿でいちゃ、都会じゃ浮くわな)。
この短編集に収められたものは殆どが東京ものだ。
都会の奇を猟る、まさしく初期の明智小五郎にも通ずる金田一耕助の、テレビや映画のイメージとは全く違った「本当」の姿を、堪能してもらいたい。
解説の書誌もなかなかキチンとしてるのだが、『支那扇の女』は同タイトルの短編が原型、と書いてあるのはちょっと違う。
もともとは『ペルシャ猫を抱く女』(「キング」昭和21年7月号)という短編があって、それが、
→『肖像画』(「りべらる増刊」昭和27年7月号)
→『支那扇の女』(「太陽」昭和32年12月号)
→『支那扇の女』(東京文芸社刊/昭和35年7月)
という過程を辿ったものだ。これは既に中島河太郎氏の研究で判明していたことだし、解説の浜田知明氏も先刻承知の事実なのだから、ちゃんと記載しておくべきである。
……横溝オタクは多いからな、こういうことにはちゃんとしとけよ、光文社。
マンガ、久保田眞二『ホームズ』2巻(集英社・620円)。
あ、考えてみたら、1巻はネットカフェで読んだんで買ってないや。
しまったなあ、買わなきゃならんかなあ。
ムードはいいんだけどねえ、ホームズのキャラクターもいかにも「らしい」し。もっともそれは作者の力っつーより、ベースにしてるのがNHK放送のジェレミー・ブレット主演版だからだろうけど。
とゆーか、この作者、そのテレビ版しか見てない可能性だってあるな。
今回、ついにあのモリアーティ教授が登場するんだが、彼を「赤毛連盟事件の黒幕」としたのは、そのNHKのグラナダテレビ制作版なんである。その設定をそのまんまこのマンガでも踏襲してるけど、その一点だけでも版権が生じないかなあ。
……黙ってりゃわからんか。
あ、でも巻末の口絵のホームズはピーター・カッシングっぽい。
いっそのこと、1巻ごとに別俳優のホームズを登場させるってのはどうだ。
ウィリアム・ジレットのホームズ、ジョン・バリモアのホームズ、ベイジル・ラスボーンのホームズ、クリストファー・リーのホームズ、ピーター・クックのホームズ、クリストファー・プラマーのホームズ、イアン・リチャードソンのホームズ、チャールトン・ヘストンのホームズ、ロバート・スティーヴンスのホームズ、ニコル・ウィリアムソンのホームズ、岸田森(これが言いたかった!)のホームズ。
ミステリとしては、今回もまあこんなもんかいな、という程度の出来。
まあ、当時のイギリスの雰囲気をマンガで味わうって考えた方が楽しめるかな。
けど、喋ってる言葉は英語のはずなのに、“Lucifer”をどうして「ルチフェル」と発音するのだ。敬虔なクリスチャンは日常でもラテン語を使うのか?
「リュシファー」か「ルシファー」って発音しろよ。
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02月14日(木)
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