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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■気がついたらマヨラー(笑)/『ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト』(上遠野浩平)/『大秘密』(W・パウンドストーン)
恋人でも友達でもない、全く偶然の係わり合いで誕生してしまった、「犯罪者」コンビ。それがホーリィ&ゴースト。できれば今後のシリーズにも出演してほしいけど……難しいかな。
もちろん、ブギーポップ・宮下藤花に炎の魔女・霧間凪もちょびっと登場するが、あまり出さなくても話作ることが出来たんじゃないかってくらいに今回は番外編的。
しかし、『歪曲王』『ペパーミントの魔術師』の寺月恭一郎がどうしてあんな「遺産」を残したのか、いかにも意味ありげに登場してきてほとんど何もせずに去って行った雨宮世津子こと“リセット”はこれからのストーリーにどう絡んでくるのか、だいたいこの「世界の敵」との戦いに終わりはあるのか、など、伏線が増えるばかりで、10巻を費やしてもまだまだ先が読めない。
でも、できればせめて20巻くらいで抑えてくれないかな、トシヨリにはこうも増え続けるキャラの名前を全部はとても覚えられないし。『大菩薩峠』じゃないんだからよう。
ウィリアム・パウンドストーン/田村義進訳『大秘密 ―噂・都市伝説・憶測の真相あばきます―』(“BIG SECRET”/早川書房ハヤカワ文庫・693円)。
マクドナルドがネコの肉使ってるとかミミズの肉使ってるとか、マコトシヤカな(そうかあ?)都市伝説はたくさんあるけれど、その中にはアメリカ経由のやつも結構多い。
その真相を調査しようってのがこの本の趣旨なんだけれど、まあ、面白いことは面白いが、マジメ過ぎて「ツッコミを楽しむ文化」を持つ我々日本人としてはちょっと物足りなかったりする。
「ケンタッキー・フライド・チキンには11種のハーブとスパイスが使われてます」という宣伝文句がウソだってことを、食品研究所に依頼して確かめさせてるんだけど、これってただの詐欺じゃないのか。
11種類どころか、その材料は次の通り。
鶏肉・油・スキムミルク・卵・小麦粉・塩・黒胡椒・グルタミン酸ソーダ。これだけ。……結論。ケンタッキー・フライド・チキンは下北沢の一般ご家庭でも作れます(^^)。
ほかにもコカ・コーラのレシピとか、郵便物をただで送る方法とか(でもこれは注意深い郵便局員なら見抜くと思うぞ)、嘘発見器に嘘つく方法とか(残念でした。この方法はもう八十年も前に江戸川乱歩が考案してます。その方法の欠陥も含めてね)、ユリ・ゲラーの超能力のヒミツとか、サブリミナルCMに効果はあるのかとか、題材そのものは興味深いんだけど、「そんなんわざわざ説明されんでもわかる」ってネタも多いんだよねえ。
結局は読み物なんだから、ただ、「アレはインチキだ!」って叫んだリ、そのインチキさを説明するだけじゃなくて、「そういうインチキを考えつきたくなる人のココロの面白さ」にまで、思いを致してほしいものなのである。
02月12日(火)
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