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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■男が女に暴力を振るうワケ/『仮面ライダー龍騎』第02話「巨大クモ逆襲」/アニメ『サイボーグ009』第17話「決戦」ほか
「……付き合うって、結局ギブ&テイクじゃないんですか? 精神的なものにしろ肉体的なものにしろ、何かを与えて与えられて、という関係が成り立たないと、結婚なんて考えられないし」
それはそうだろう。
たとえ本人は「無償の愛」を与えているつもりであっても、たいていは「自分は無償の愛を与えている」という「満足感」を手に入れているわけであるから。
「私はこれだけあるものをあげるけど、あなたは私に何をくれるのって言いたいんですよ。でも、別に相手との“生活”はほしくないんですよね」
「ああ、だから“性欲”ってことか」
確かにその図式ならわかりやすい。
「んじゃ、例えば、“カラダだけの付き合い”でもいいってわけ?」
「はい」
おおっと、こいつぁ、またまた、大胆発言(^o^)。
「でも、それって男にとって、ムチャクチャ都合がいい女ってことにならない?」
「たぶん、そうなんじゃないですか?」
「でも、男がよしひとさんに求めてるのは、そんな“都合のイイ女”像じゃないと思うけど」
「そうなんですか?」
「今までつきあった相手って、よしひとさんにやたら気後れしたりしてなかった?」
「さあ?」
「男から暴力振るわれたことはないでしょ」
「ありますよ!」
「……それは意外。オレもよしひとさんのこと好きだったって男、何人も知ってるけど、みんな『じゃあ告白すれば?』って言ったら、しないんだよね」
「ああ……そう言われれば、最近、昔の男友だちから、やたら『実は昔、好きだったんだよね』って言われます」
「どうしてみんな、はっきり言えないと思う?」
「どうしてなんですか?」
「みんな、『ボクなんかにはよしひとさんは釣り合わない』って言ってんだよ」
「えええええええ!?」
「自分が“マドンナ”に見られてるってこと、気付いてない?」
「全然!」
「よしひとさん、“癒し系”ってコトバ嫌いでしょ」
「……大っ嫌いです!」
「でもね、男がよしひとさんに求めてるのって、たいていそれなんだよ」
「えええええええ!?」
「一緒にいて安らげるとか、優しく包んでもらえるとか」
「……それ、“私”じゃない!」
「……でも、さあ、例えば、ここに、超オタクな、見るからにコミュニケーション不全なヤロウが勇気を奮い起こして、『ぼ、ぼ、ぼく、実はよしひとさんのこと好きなんです』と言って告白したとしましょう」
「……はあ」
「あなた、この人に、『ウゼえんだよ、オマエみたいなオタク、さっさと死んじまえ!』って言えますか?」
「言えませんよう!」
「たとえ自分のタイプじゃなくっても、『少し考えさせて』とか言って待たせない?」
「……はあ。かも」
「ほら、“癒し系”」
「どこがですかあああああ!」
「……あのさ、“癒し系”の女性には『優しい』とか『人の話を聞いてくれる』とかのほかに、一つの大きな特徴があるのよ。何かわかる?」
「さあ?」
「『めぞん一刻』の響子さんみたいなタイプだよ?」
「そう言われても……」
「“鈍感”ってこと」
「ななななな、何が鈍感なんですか!?」
「よしひとさんを好きになるような男はね、よしひとさんが自分の気持ちに気付いてくれなくっても構わないわけよ。もともと自分にとっちゃ高嶺の花なんだから。告白しなくて遠くで見つめてるだけで充分なんだけど、仮に告白して振られちゃってもいいの。玉砕覚悟って言うより、『振ってくれたほうが嬉しい』んだから」
「……なんだかわかりません」
「わからないから、いいの。男はよしひとさんをマドンナと見なした時点で自己完結してんだから。それに気付かれちゃあ、かえって困るし」
「だから、私、マドンナなんかじゃ……」
「そう思うなら、はっきり言わなきゃ。『おまえなんか気持ち悪い』とか『近寄るな』とか。本心でなくていいんだよ、演技で言えりゃ」
「演技でもそれはちょっと……卑怯だと」
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02月10日(日)
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