ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491657hit]
■オタアミビデオと平成生まれと夜のドライブと/『ナジカ電撃作戦』FINAL MISSION/『名探偵ポワロ 白昼の悪魔』ほか
ミステリーの女王などと呼ばれてはいるが、クリスティー作品はトリック的には同じパターンの繰り返しで、要領さえ掴めば犯人やトリックはすぐわかるのである。特に映像にしちゃうと、名作の誉れ高い『アクロイド殺し』だってただの凡作になってしまって、つまらない。純粋にミステリーとして楽しみたい人は、クリスティーは小説に限定した方がいいと思う。
『ポワロ』シリーズが名作たり得ているのは、そういった映像化に向かない原作の不備を補ってあまりあるキャストの演技力に負っていると思う。
以前は私の思う最高のポワロ役者は『オリエント急行殺人事件』のアルバート・フィニーだったが、今は確実にデビッド・スーシェだということが出来る。歩き方から仕草まで、むちゃくちゃ作りこんでるものなあ。もっとも、舞台版のチャールズ・ロートンのポアロなんかは見たことないので、ユスティノフと比較したらってことなんだけどね。名優で知られ、『情婦』でウィルフリッド卿も演じているロートンなだけに、もしかしたら出来がよかったのかもしれないけれど(でも作者は嫌ってたそうである)。
更に言えば、最高のヘイスティングス役者もヒュー・フレイザーである(声が富山敬さんから、安原義人さんに変わった。しかたないことだけどイメージがピッタリだっただけに残念)。
と言っても、これも他には、映画『ブラックコーヒー』『エッジウェア卿の死』のリチャード・クーパー、『ABC殺人事件』のロバート・モーレイ、テレビ『エッジウェア卿の死』『死者のあやまち』ジョナサン・セシルの三人くらいしかいないんだが。しかも前の二人のは未だに日本未公開。わしゃいい加減、30年も待っとんじゃ。たいがいでビデオ化せんかい。
デビッド・スーシェは、クリスティーのポワロを全作演じたいと意欲を見せているらしいが、それはぜひとも願いたいところだ。特に『オリエント急行殺人事件』と『カーテン』は是非に。
マンガ、高屋奈月『フルーツバスケット』1、2巻(白泉社・410円)。
もう何年も「大貧民」やってないなあ。
地方によってはこのトランプゲーム、「大富豪」と呼んでるが、どの程度の地方差があるものなんだろうか。
いや、マンガの中でみんなで「大貧民」するシーンがあるってだけのことなんだけど。
それはそれとして、じっくり読んでみて、これがようやくファンタジーものだってことを知った。テレビでアニメ見たときは、草摩の一族が十二支の動物の物の怪に憑かれてて、異性に抱きつかれるとその動物に変身してしまうなんて気がつかなかったのだ。ちょうどそこのところだけ、見逃してたんだねえ。
ううむ、伏線の張り方が「思わせぶり」の域を出ていない、つまりは語り口がまだまだ固いってことは言えるんだけど、キャラクターの作り方はなかなか面白い。
主役の透、しげは「気に入らん」と評価が厳しいが、まあ、天然パーな女の子ってのは定番だし。しげも似たようなもんだ。
脇キャラがなかなか楽しいしね。神楽や花ちゃんみたいにダークなやつは好きだ。……そりゃ、電波やってりゃ成績もどん底みたいに悪かろうよ(^o^)。こういう、一見エキセントリックだけど、妙なリアリティが魅力で読んでるやつもいるんじゃないか。これは続けて買ってみることにしよう。
マンガ、文月晃『藍より青し』1〜3巻(白泉社・530円)。
これもアニメになるってんで、とりあえず三冊ほど買ってみたが、中身は『ラブひな』だった。
大学生の男の子のアパートに、18年間ずっと彼のことを思い続けてきた許婚の和風美人が押しかけて来るって、ベタベタな展開なんだけど、家同士のしがらみなんかも語られてて、これは結構ハードに面白くなるのかなあ、と思ったら、2巻でもう失速した。
博多弁を喋る外人とか、ドジで巨乳なメガネっ子とか、いくらなんでもちょっとありがち過ぎんか。
しかも博多弁デタラメだし。
博多弁では「どぎゃん」とは言わんぞ。「どげん」だ(「どぎゃん」は「佐賀」!)。しかももう若いヤツは普通に「どう」って言ってて、そんな古い言葉、もう使ってないよ。
[5]続きを読む
01月02日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る