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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■怪獣道なんてないよ/『30独身女、どうよ!?』(岡田斗司夫)ほか
 「やっぱ、30過ぎて女が独身でいるなんて、ちょっと問題あるよね」と思ってる連中が世間にゃゴマンといるってことなんだよなあ。しげがこの本を読んでひとこと、「家事とか子育てに縛られるとか、そういう結婚しなきゃいいんじゃん」と言いやがったが、おりゃあ別に「家事しなくていいよ」なんて言った覚えはね〜ぞ。オマエが勝手に自分の生活ラクにしてるだけだろうが。しかも、そのことに全く良心の呵責感じてないし(-_-;)。
 しげが言ってるのは「オトコの寄生虫になる結婚すればいいじゃん」と言ってるんであって、「結婚に意義を見出そう」というマトモな感覚があれば、そんな人間としてのプライド捨てたような結婚はできない。問題なのは、その「結婚の意義」ってのが十年一日「良妻賢母」以外のものが提示されてないってとこにあるのだ。
 この本が対象としているのは、実のところ結婚している、していないに関わらず、そういった「女の幸せは結婚」という精神的呪縛にとらわれている女性たちになのであって、最初から結婚の呪縛にとらわれてないしげなんかは対象外なんである。

 夢を捨てきれない女の人たちのために、長々と岡田さんは一冊丸ごと使って説明しているけれど、要は「結婚」以外に女性が生きていく方法があればいいのだ。結論は「独身でいいじゃん」ってことになるんだが、さて、こう思いきれる女性がどれだけいるだろうか。
 だってねえ、やっぱ女ってズルイのよ。
 オトコとつるむことが「チヤホヤしてもらえる」「タダでメシ食わしてもらえる」ことだと思ってるから。
 岡田さんは今回もまたオブラートに包むように包むように「恋愛を特別な日だけ食べるケーキなんて思っちゃダメ」なんて優しい言い方してるし、「30独身女はオトナ」とおだてちゃいるけど、ウラを返せば、「30過ぎて独身でいることに開き直れない女はバカでガキ」ってことでもあるんだからな。

 これからの時代、岡田さんの言うように、旧弊なモラルが徐々に解体されていくかどうか、それこそ「n対n恋愛」を実践する女性たちが社会の中枢に陣取るようにならないと、そうそう実現するものでもなかろうが、モラリストが往々にして差別的になることを考えると、そうなってほしいなあとは思う。
 ただオトコである私がそれ言うと、すぐに「つまりアンタも浮気したいからだろう」ってバカが言い出すのがヤなんだよなあ。岡田さんも『フロン』で「男に都合のいい論理」とトンチンカンな批判されてたし。
 あのね、たとえ世間が「n対n恋愛」を実践しようが、私ゃ別にその流れに乗るように、複数の女性と付き合おうとは思ってないのよ。それは、モラルがどうとかいうんじゃなくて、私としげとの関係が初めから1対1で成り立ってるからなんであって、それを解体しなければならない事情が現時点で発生していない以上、周囲がどうあれ、ウチは関係ないの。でもそれは「n対n」を否定しているわけでもないのね。
 つまり、力説するほどもなく当たり前のことなんだけれど、恋愛も結婚も「人それぞれ」ってことなんで、「ウチは岡田さんの例に当てはまらないから、岡田さんの言ってることは間違い」ってことにはならんのよ。例外で概論を図ってはならないってのは論理学の基本なんだが、そんなこともわからんバカ批評が多すぎるんだよなあ。

 明らかに、現代の日本において、「30独身女」問題はあるのであって、その問題自体から目を逸らした批判は、批判としての意味を持ち得ない。岡田さんの主張に対して反論するんなら、「結婚」以外の選択肢で、岡田さんの「n対n」案を上回るものを考えた上で、明確に提示しないと反論として成り立たないんだけどね。
 でも、どんな具体案を出したところで、結論は「独身でいいじゃん」に落ち付くと思うけどなあ。

 ウチの劇団にも誰とは言わんが30独身女になっちゃいそうな御仁はおられる。決して「結婚できない」タイプじゃなくて、結婚したら結婚したで「ステキな主婦」にだってなれそうなんだが、なぜか真っ直ぐな人生を歩んでおられる(^_^;)。で、彼女にどんな言葉が贈れるかっていうと、やっぱり「そのまま行ってよし!」なんである。

 直接本の内容と関係はないが、気がついたことが一つ。

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12月25日(火)
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