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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■それは愛ゆえの殺人か/『孤島の姫君』(今市子)ほか
 2本目は、原作にもあった病気のかあちゃんのお手伝いを、しんちゃんがすればするほど仕事が増えちゃう話だけれど、ラストはやっぱり家族の絆でオチがつく。テレビシリーズのしんちゃんは、スジの型が概ね決まってるので、小出しのギャグをどれだけ詰めこめるかで評価が分かれる。
 後半は、しんちゃんがワザとカニ缶を開けて食べようとするギャグがあるけれど、ちょっと笑いにつながるギャグが少なかった。
 しんちゃんをリスペクトしたホームページ、ファンページは多いけど、ギャグ中心ってのは少ない。ドリフのコントなんかもそうだけど、「面白かった」って評判は残るけど、ギャグ自体は消え去ってしまうことが多いのだ。そのへんをフォローするファンサイトがあってもいいと思うんだがなあ。


 しげに頼んで、近所のベスト電器まで車でビデオテープを買いに行く。
 今日も私が「車に乗ろうか」と言い出したので、しげはビックラこいているが、だから練習させないと不安なんだってば。
 新車ってわけでもないのに、車の中の匂いが相当キツイらしく、しげは大掃除をしたらしいが、乗ってみるとやっぱりどこか皮の匂いが充満していてクサイ。
 福○空港周辺とか、どこぞの山道の途中で停まってる車の中じゃあ、若いカップルがいろいろ楽しいことをしているらしいが、みんなこんなクサくて暑苦しいところでよくヤレるよなあ。


 DVD『第三舞台 1981〜2001』見る。
 先日の『ファントム・ペイン』公演の時に記念パンフとセットで売られてたDVDだったけれど、最初の5年くらいは音声テープは残っていても、映像はない。でもやっぱり学生のギャグで間の取り方がまるでシロウト。
 なのに「ウケてしまった」というのが、第三舞台の悲劇だったんじゃないかなあ。
 下手な解説を入れずに、公演ビデオのみで構成したのは見識のつもりかもしれないが、芝居の内用すら分らないので、結局第三舞台に詳しい人でないと意味不明な箇所があまりに多過ぎる。
 ブツ切り名シーンのみだが、DVDの容量を考えたら、もうちょっと長めに収録できたのではないか。


 マンガ、今市子『孤島の姫君』(朝日ソノラマ・800円)。
 「目に見えるものが真実であるとは限らない」、それが今さんのマンガのキーワードだろう。
 人間であるように見えたものが幽霊であったり、幽霊自身が幽霊であることに気がつかなかったり。某クソ洋画が大仰に宣伝していた「意外な結末」なんて、今さんのマンガには腐るほど出て来てたし、これは昔ながらの「怪談」の語りの定番でもある。
 事実、マンガ家の中でも、今さんは、怪談の語り部(ストーリーテラー)として屈指の実力を持ってると思うのだが、なんだか今一つマイナーって気がするんだよなあ。……誰かドラマ化しないか。
 これは『百鬼夜行抄』以外の短編を集めた作品集だが、現代ものでもファンタジーでもミステリーでもコメディでも、そういう「我々の感覚のあやふやさ」をモチーフとしている点は変わりがない。
 作品を全部紹介するのは字数の制限もあってできないが、一番気に入ったのは、8ページと短いけれど、『遺影がない!』。
 アパートの不審火で死んだ従妹の夫の通夜にやってきたヒロイン、彼女は実はその夫のかつての恋人だった。火事のせいで、遺影に出来る写真が一枚もなくなっているので、遺族は東奔西走して死者の生前の写真を探すのだが、ヒロインはなんとかして自分とのかつての関係が知られないように、写真を隠そうとする……。
 コメディーミステリーとしてはその意外な結末も含めて、わずか8ページでこれだけの内容を凝縮しきった才能は大々的に称賛したい。
 あとの作品は、『赤い袖』『沈黙』『真夜中の食卓』『孤島の姫君』『文鳥マンガ・美しき獣たち』の5本。
 ああ、実録「文鳥もの」も今さんのマンガの魅力であります。あのトリの点目がねー。ちょっと吾妻ひでおの不気味くんを思い出させてねー、ヨイのですよ(^^)。

10月26日(金)
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