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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■凡人礼賛/DVD『エイリアン9』2巻/『魔獣狩り』(夢枕獏・木戸嘉実)ほか
しげはもう単純に喜んで「そりゃ『仕事か劇団か』って言われたら『劇団』って言うよ」と笑ってるが、そう割り切って言えることでもないってばよ。
しげの情報伝達能力は極度に低い“ILT”(インフォメーション・ローテクノロジー)なので、どこまでが本当の話なのか分らないが、少なくとも「仕事と私生活のどちらが大事か」などということを本気で部下に言う上司のいる会社があったとしたら、そこは真実ロクでもないトコだってことは断言してよかろう。
ウチの職場だって、雇用条件が決してよいとは言えないが、「私生活を犠牲にしても仕事に従事せよ」なんて、思ってても口には出せないことくらいは上司も知っている。「あとでオゴりますから」「短時間ですみますから」「ちょっと押してるんでどうか一つ」とこちらをだまくらかして残業させたり休日出勤させたりしてるだけである。
不況でどこも大変だってことはわかるが、それだからこそ、社員の雇用条件を適正に確保する努力が企業には求められているし、それを考えなきゃ本来の意味でのリストラクチャーはできないはずなのだ。リストラを即首切りと考える会社なんて、世間からの信用を得られるわけないでしょ? かえって会社を弱体化させるだけだって。
もし、いつ潰れてもおかしくないような職場だったんなら、その前にトンズラ濃いた鈴邑君は賢明だったのかも知れない。
でも、はやいとこ仕事見つけナヨ、鈴邑君。なんか話聞いてると、どんどん雇用条件の悪いとこ悪いとこに移ってるみたいだし。最初の就職口が一番よかったんじゃないか? 今考えると。
……しかし、そうなるとウチの劇団メンバーで、一つトコで一番長く仕事続けてるのって、よしひと嬢の次に藤田くんなんだなあ。
こりゃ意外な事実でビックリ。
DVD『エイリアン9』2巻「退屈 宇宙船 過成長」。
原作1巻の後半部分をほぼ忠実に映像化。
けど、ちょっだけセリフに改変があって、ゆりが恐怖のあまりボウグを「過成長」させちゃったのを見た久川先生の「この子がこんなにダメな子だったなんて」というモノローグがアニメではなくなっている。
「先生」のセリフとしてはちょっと残酷過ぎる、という判断か、話のテンポをとぎらせないためのカットか、そのあたりはよく分らない。しかしこのセリフがあるとないとでは、作品自体の印象がひどく異なる。
あればやっぱりゆりは「ダメな子」なままだが、ないと「この子はまだ自分の才能に気付いていない、ボウグのコントロールがまだできないだけで、潜在的な能力にはスゴイものがあるのだ」という印象が続くことになる。
前巻の感想にも、この作品、原作のイビツさがアニメでは修正されていることを書いたのだが、ストーリーが同じようでいて、絵やちょっとしたセリフで、随分、「健康的」な印象に変わっているのだ。
正直言って原作の方はどうも作者自身がキャラクターに対してサディスティックになってる面が垣間見えていて今一つ好きになれないのだが、アニメの方は何となくではあるが「希望」がありそうな感じで好印象。全何巻になるのかな? 原作の消化ペースからいけば6巻程度で終わりそうなんだが。
原作はまだ1巻しか読んでいないが、ラストを読むのはアニメを見終わってからにしようかと思う。
マンガ、細野不二彦『ザ・スリーパー』2巻(小学館・560円)。
細野さんのマンガも好きと言えば好きなんだが、どこかのめり込めないところがあるのは、やっぱり基本的に作者が「暗い」からなんだろうなあ。
いや、別に作者の性格を云々したいんじゃなくて、絵や線がどうにも腺病質なんである。
折り返しに作者のコメントが載っていて、「合体! 変身! 正義のヒーロー登場!! 一度は描いてみたかった少年ヒーロー漫画王道のパターンです!」なんて書いてるけど、だったら「精神世界で妄想と戦う」なんて設定にするんじゃないよ、と言いたい。そんなん「王道」でも何でもないやんかと。
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10月23日(火)
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