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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■いっじわっるはっ、たっのしっいなっ/『竜が滅ぶ日』(長谷川裕一)ほか
 そして、各キャラクターのコントラストをつけつつ、それをアンサンブルとして織り上げていかねばならない。ミュージカルは演技で見せる交響曲なのであって、実は全ての演劇はたとえ歌がなくともセリフと体技で見せるミュージカルでなければならないのだ。
 文学が全て詩から始まっているように、演劇は全て舞楽から始まってるのだから。

 SE・MEの類は0.1秒の狂いも許されない。言い替えれば、録音したMDの操作では絶対に臨場感が出ない箇所が多々あるのだ。部分的にはナマ音(その場での演奏)を行わなければ、演出は不可能なのである。
 音響スタッフ、私一人では絶対に足りない。練習に参加できる音響スタッフが、あと三人は必要なのだ。……よしひとさん、そのことに気がついてたかなあ。ふっふっふ(←マジ意地悪)。

 今更「この脚本やめよう」と言っても遅いんだもんね。
 私が何度も「いいの? これでホントに?」って言ったのに、その意味、全然わかってなかったでしょ? でも、自分たちでゴーサイン出したんだからもう覚悟してもらうしかないんだよ?
 面白いもの作ろうと思ったら、当然本格的にやらなきゃならないところが出てくるのだよ。前に書いたシナリオのほうがずっとやりやすかったんだけど、もう後の祭り。ムズカシイ方を選んだ以上は妥協しないで「完璧」を目指してくださいね。
 あまり意地悪ばかり言ってもなんだから、一つ、解決策を指示しとこう。
 窮余の一策として、スタッフが足りないのなら、俳優たち本人に演奏させる、という手もあるのだよ。つまり「弾き語り」ね。
 でもそれにしたって、そのときはみんなちゃんと練習しなくちゃならないんだよ、振りつけコミでね。
 ……ホントにみんな覚悟してるのかな?
 
 もう一本の芝居(今回は二本立てなのである)、よしひと嬢の方のシナリオ第2稿、未だ完成せず。
 それ自体を責めるつもりはないのだが、私の脚本ができあがっていない時は「キャラクターのイメージが固められない」と文句つけてたしげが、いざ自分が演出する立場に回った途端に、未定稿でもどんどん役作りに注文をつけまくるのは矛盾している。
 今の段階で言えることは、せいぜい「間の取り方」の注文程度ではないのか。キャラの内面にまで踏み込むことは不可能なはずである。特に穂稀嬢は初めての演技なのだし、もっとのびのびと演技させないでどうするのだ。
 はっきり言うがしげが注文つけるたびに穂稀嬢の演技、悪くなってるぞ。先週の一番初めの演技が最高で、後はどんどんレベルダウンしている。
 その辺さりげなく指摘してるのに気がつかないんだものなあ。
 だから、しげはこの芝居で客をどう面白がらせたいのか。笑わせたいのか泣かせたいのか。もっと微妙なものを感じさせたい、というようなシナリオではないので、その辺、はっきりさせないと客は戸惑うばかりだろう。
 私生活で血の巡りが悪いやつが、芝居の時だけマトモになるなんてことは有り得ないのだ。北島マヤじゃないんだから。

 余談。
 よしひと嬢があるセリフを言うとき、私が「バルタン星人に乗り移られたアラシ隊員みたいな口調で喋ったら?」と譬えたら、意味が分ったの、よしひと嬢だけだった……。
 嗚呼、昭和は遠くなりにけり。


 2時半、突然、鈴邑君が来て、いきなり横になって寝たかと思うと、3時にムックリ起きだして、挨拶もせずに帰っていった。
 みんな驚いて、鴉丸嬢などは「何か怒ったの?」と狼狽していたが、鈴邑君はいつもあんな調子で悪気はないのである。自分の言葉をさし挟むところではない、と判断したら全く喋らなかったりするが、たとえ本当に鈴邑君が怒っていたとしてもそれは別に気にすることではない。
 役者(演劇に関わる者)は、言うべきことがある時は言う。言わないことに対して動揺するのは覚悟が足りないだけである。

 私のこの文章も、随分直截的に書いてあるが、練習の現場では口にしなかったことだ。
 別に意見を言ってもしかたがないとあきらめていたわけではない。血の巡りが悪いしげに直接何かを言ったって、その場でフリーズして思考停止に陥ることは解りきっているからである。

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07月29日(日)
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