ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491769hit]

■女の子が好き!/アニメ『フリクリ』6巻/『低俗霊DAYDREAM』1巻(奥瀬サキ・目黒三太)ほか
 それにしても『タイムトラベラー』の放映は1972年、昭和47年である。別にそんなに昔というわけでもない。昭和46年から始まった『帰ってきたウルトラマン』や『仮面ライダー』は全話しっかり残されているのに、NHKだけがビデオテープをどんどん破棄していったっていうのはバカとしか言いようがない。批判はこの当時からされていたはずだが、この後もNHKはアホンダラな行為をどんどん続けるのである。
 おかげでいくら私などが「脚本家の石山透って人、凄かったんだよ、『タイムトラベラー』も『新八犬伝』も『プリンプリン物語』もみんな石山さんが書いたんだ!」と言っても若い人には通じない。再放送がないから説明のしようがないのだ。
 長らく幻であったがゆえに思い出の中で美化されすぎている面はある。俳優たちの演技は一本調子だし、視力障碍者を考慮したと見られる説明的なナレーションもくどい。何より予算がないのがバレバレでセット撮影がチャチ。
 しかしそれを補うにあまりあるハードなSFマインドがここにはあるのだ。原作にはない、戦時中にタイムスリップする老婆のエピソード、病気で死にかけた娘を過去から現代へと連れてこようとするが、タイムパラドックスに阻まれ、老婆は歴史の流れに押しつぶされて消滅してしまう。それをなす術もなく見ているしかない和子とケン・ソゴル。
 二人の別れも含め、石山透ははっきりこの『タイムトラベラー』シリーズ(『続』もあるのよ!)を「悲劇」と位置付けて脚本を書いたそうだが、その視点が後のリメイク作品には決定的に欠けている。時間とは、それ自体、悲しみの象徴であるのだ。
 だから『時かけ』映像化の最高傑作はやはりこの『タイムトラベラー』で決まりなのである。
 ……大学時代、「原田知世はいい!」と叫んでいたことはとりあえず置いとく。

 DVD『ガメラ 大怪獣空中決戦』、金子修介監督、蛍雪次郎、中山忍のコメンタリーで再見。
 やはり何度見ても飽きないし、中山忍が最高に美しい。ギャオスが福岡ドームで射殺されるのを中山忍の長峰が真正面から見据えるカット、あれは特撮映画史上、最高に美しいといってもいいアップなのではないか。映画を始めて見ていた時から、「長峰はギャオスをある意味愛し始めているのだな」と思っていたのだが、金子監督がしっかりラストでそのことを「浅黄がガメラにシンクロしているのと同様に長峰はギャオスに心引かれるようになっている」と語ってくれたのが嬉しかった。やはり映画は「愛」の物語であるのだ。
 われわれ怪獣ファンは映画を見ている間ずっと、怪獣に片思いをしているようなものだ。その心情を代償してくれるキャラクターがゴジラシリーズには見られない。かつて子供のころ、私はゴジラよりガメラが圧倒的に好きであったが、それはもちろんガメラが「子供の味方」であったからだ。馬鹿馬鹿しい設定と笑ってはならない。ゴジラの背中に乗りたいとは思わないが、ガメラの背中には乗って空が飛びたいなあ、と思わせるだけの魅力を子供に感じさせたのはその設定ゆえにである。かつてのガメラシリーズより、平成三部作はリアルにはなったが、その思いだけは浅黄と長峰が観客の代弁してくれているのだ。
 欲を言えば、たとえ多少リアルさを犠牲にしても、浅黄がガメラの背中に乗るシーンが見たかったなあ。

 CS時代劇チャンネルで『鞍馬天狗』第5話『地獄の門』を見る。
 アレですよ、杉作が実は女の子でお姫様だったというアレですがな。いやあ、伊藤つかさがかわいいのなんの! もう大学当時アルバム何枚も買ってましたからね。エンディングテーマの『夕暮れ物語』も未だに歌える……ってホントに今回女の子の話ばかりしてるな、私。
 1時間で終わるはずのない原作をダイジェストで詰め込んでるからスカスカで、それを更に人情話で補ってるから、まるで鞍馬天狗じゃなくなってるんだが、財津一郎の近藤勇という珍キャストが見られるというおトクな要素もありはする。まあ顔だけは財津さん、ホンモノの近藤に似ちゃいるんだが。

[5]続きを読む

03月24日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る