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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■ザッツ・エンタテインメント!/2000年度キネマ旬報ベスト・テン
箱をよく見ると、例のフルタの「百鬼夜行」シリーズの特別版、「赤鬼」「青鬼」セットである。
……こりゃ驚いた。ホントに驚いて声も出ない。あれだけ私のコレクションに文句をつけていたというのに、いったいどういう風の吹きまわしだ。
マジで「ありがとう」のヒトコトも言えず、私が硬直したままなので、女房は不満顔である。かと言って「わぁい。嬉しいなったら嬉しいな」なんて踊り狂うわけにもいかんが。
「……開けないの?」
「ああ、あとで見る」
そう言うのが精一杯で、箱を脇にどけた途端、女房、
「ちぇっ、つまんない」
そう言ってまた布団の中に潜りこんで行った。ホントにそれだけのために起きて来たのか。
女房、一瞬の後にはもうイビキをかき始めている。改めて箱を開け、中身を確かめる。うわあ、赤鬼と青鬼、お釈迦様を金棒で踏み敷いてやがる。要するに天邪鬼を踏み敷く毘沙門天の逆ポーズなわけだな。相変わらず芸が細かいなあ。
人形の造形もさることながら、付録がまたすごい。
オフィシャルブックは第1、第2弾両方の妖怪全作の写真に加え、解説も充実、田島昭宇ほかゲストマンガ家のイラストまで付いている。解説(「妖怪ポスト」というタイトルが心憎い)によれば、フィギュアのパッケージにあった「お払い済み」というのは本当で、「門真神社」と「安倍晴明神社」で本当にお払いしたあと出荷しているそうで……気が入ってるなあ(^_^;)。
京極夏彦謹製の「妖魔退散」お札に、各種絵はがきもブラックジョークが効いている。「泥田坊」に「ハッピーバレンタイン(はあと)」なんて言われたって嬉しかないぞ。
ああ、しかも更にスペシャル版として「妖怪船」の発売だと?! ……誰が買うんだこんなもん、と実は内心では思っていたのだが、確かにヒットしているのだなあ。
愛想のない夫で悪いが、本当に嬉しかったのだ。ポーカーフェイスの夫と結婚したのが身の不運と諦めてくれい。
女房は今日、本当にどうかしている。冷蔵庫にビーフシチューパイや、キーマカレー(ナン付き)まで用意している。たまに親切にされると、不幸の前兆のようで怖いなあ(^_^;)。
阿部ゆたか・丸伝次郎『名探偵コナン特別編』12巻読む。多分学年誌か何かに連載されてるんだろう。現物にあたったことがないので何とも言えんけど。でも明らかに小学生向けで、まともにミステリーとして評価するのは酷というものだろう。小学生へのミステリ入門編としてはまあ、そこそこの出来である。
CSで録画しておいたニュー東映、近衛十四郎版『柳生武芸帳』見る。今時の若い奴らあ、柳生十兵衛といえば千葉真一くらいしか知らんのじゃないかと思うが、鞍馬天狗がアラカンであり、旗本退屈男が市川右太衛門にトドメをさすがごとく、十兵衛といえば近衛十四郎であったのだ……って、知識では知っていても見たことなかったのよ。だからこそ見たい見たい見たいと何十年も思い続けてやっと見られたと言うのに……。なんだこのトリミングは。最悪なんてもんじゃない、シネスコサイズをぶった切ってテレビサイズに合わせたのは仕方ないとしても、誰もいない画面を映してどうする。昔のテレビにはよくあったが、今時こんな酷いトリミングしてたら放送局は苦情と抗議が殺到するのではないか。パンするくらいの芸当はできんかったのか。
肝心の中身はというと、五味康佑原作による正編であるにもかかわらず、十兵衛の両目が明いていたり(史実ではそうだったらしいが)、違和感が相当にある。と言うか、十兵衛シリーズが本当に面白くなったのは原作無視の展開になってかららしいし(映画って大抵そうだよな)、あと何作か見てみないと、評価は下しにくそうだ。史上最強の殺陣、と言われた動きも狭いテレビ画面じゃとても堪能できない。……でも十兵衛のライバル、霞の多四郎が品川隆二というのは、後年の『素浪人月影兵庫』を髣髴とさせて嬉しいキャスティングだった。
気がつくと12時過ぎ。ああ、早寝し損ねた。女房ショックのせいだな(^o^)。
02月08日(木)
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