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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■寝正月でもマンガは読む/『辣韮の皮 萌えろ!杜の宮高校漫画研究部』5巻(阿部川キネコ)
そうかー、今時はもう、年代が上がってきてるから、あの手の方々は「腐女子」じゃなくて「貴腐人」や「主腐」になってるのだね(笑)。
ちなみに「貴腐」とは、「白ワイン用品種のブドウが、果皮へのボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea) という菌(カビ)の感染によって糖度が高まり、芳香を持つ現象」のことで、貴腐ブドウから造られたワイン「貴腐ワイン」は腐敗したように見える外見からは想像できないような極甘口なデザートワインとして珍重されているそうな。 オタク女子の自称としてはちょっとよ過ぎるんじゃないかと思うけどねー。謙遜も自嘲もしてないじゃん。
どの程度世間に浸透してるのかと思ってGoogle検索してみたけど……。浸透してるよ、おい(苦笑)。
まあ、アキバ系の男子も「A-BOY」とか言ってるイタさとどっこいどっこいじゃあるんだろうけど。呼称をどう変えようがイタイもんはイタイ。
そういったオタクのイタさと、それを自覚しつつもその冥府魔道から逃れられない煩悶と諦観と開き直り(笑)ぶりを描いたマンガがどれだけ長続きするものだろうかと思っていたけれども、なんと7巻までは続いてしまうそうな。
描かれたネタが全部分かるオタクばかりが読んでるとは思えないし、それだけ売れているということは、一般人もある程度は読んでるんだろーねー。ネタなんてよく分からなくても、「今時のオタクってどんなの?」とかいう興味なんだろうか。実際、どういう感想を抱くのか聞いてみたいもんだ。
いやね、一応、恋愛要素はあるし、一般人の興味もあるようなら、ドラマ化してもいいんじゃないかと思うんだけど、どうだろね? そんときゃ、牧ちゃんには戸田恵理香をお願いしたい(←単にコスプレが見たいだけだな)。
まあ、実際にはドラマ化したらドラマ化したで、オタクの監修が入らないとかなりイタイものになるとは思うけれどもね。
確かに、オタクの浸透と拡散は既に一つの社会現象であって、例えば「萌え」なんて単語は、アクセントが一般人とオタクとで多少の差異はあっても、ほぼ共通認識を得られた言葉になってはいる。マンガのように、「アクセントは『え』にあるんだよ!」こうなるとと叫ぶ必要はないと思いはするのだ。
けれども、具体的なネタは全て現在進行形なもので、これからドラマ化したら既に「種ガン」ネタは使えないし、そもそも版権の関係でドラマ化は殆ど無理だってことは分かるんだけどね。
けれども、いかにオタク的なものが表面では浸透していようと、一般人との間に絶対的な「壁」は存在するのだ。いや、その「壁」を感じるからこそ、濃いか薄いかの個人差はあっても、自分が紛れもなくオタクであることの認識が可能になるのである。
「そうだよ私は『ドオタク』だよ!」と叫ばなければならない煩悶もまたこのマンガには描かれているので、それがこのマンガが「オタクの考現学」としてもっと評価されていいと思う理由なのである。
個人的にはコスプレイヤーの牧ちゃんが、バン・ボグートになってるコマがあったので「へええ」と感心してしまった。ホントにそんなことしてるやつがいるかどうかは知らないけど、趣味が実にいいよね♪
あと、「オタク映画」の基本として、『未来世紀ブラジル』『シベリア超特急』『戦艦ポチョムキン』『やぶにらみの暴君』とかが紹介されてたけど、こんなのは私でも持ってる基本中の基本映画なので(作中、新寺ははっきりと「基本」と言っている)、そこの一般人の自称映画ファン、年間に50本程度映画を見に行ってる程度で「オレ、結構映画好きなんすよ、オタクっスかねえ」とか笑って言うな。首もぐぞ。
01月02日(火)
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