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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■16万ヒット♪/『キノの旅\ ―the Beautiful World―』(時雨沢恵一)
『623 僕のラジオに出ない? であります』は、ムツミのラジオの1日アシスタントになろうと、二人がオーディションを受けるのだけれど、最終的に勝ったのは……というお話。ムツミの正体はまあ、「彼」なんだから、勝つのがあいつだったのはまあ当然だね。
『ケロロVS夏美 1/6ガチンコバトル! であります』。ケロロプラモと夏美プラモの対決、原作では省略されていたのをしっかりやってくれたのが嬉しい。
細かく感想を書いていくとまた膨大になるので、このへんでカンベンして(誰に向かって謝ってるのか)。
あと、『ドラえもん』に『クレヨンしんちゃん』はいつもの定番。
『クレしん』は、普通は二本立てだけれども、今週に限って、しんちゃんと藤井隆共演の『マシューが来たゾ』がラストにオマケでくっつく。サブタイトルどおり、藤井隆は日本のジョニー・カーソン「マシュー南」として登場。でも二人のかけあいは全然面白くないのであった。
マシュー「今度ゴールデンに進出するから、ゴールデンの先輩のしんちゃんに挨拶にきたのよー」
しんのすけ「ゴールデンと言えばこれだぞ〜!(パンツを脱ぐ)」
マシュー「ゴールデン!」
しんのすけ「ゴールデン!」
こうしてゴールデンの雄叫びは地球上に響き渡るのであった。
……ってよう、せっかく藤井隆を呼んだんだから、何か芸させろよ。『クレしん』は映画版もそうだけど、特別ゲストのシーンはイザムと言い、コサキンと言い、なぜかあまり面白くないものが多いのだった。丹波さんくらいかな、まあ面白かったのは。
時雨沢恵一『キノの旅\ ―the Beautiful World―』(電撃文庫)。
アラビア数字に疎い方に説明しておくと、「\」は「9」です(笑)。第1巻を買ったころにはこんなに人気が出るとは思わなかった。電撃文庫系のライトノヴェルを全て読んでるわけじゃないが、ここまで読んでて飽きが来ないというのもたいしたもんだと思う。基本的にいつまでも続けられる終わりのない物語だから、無理に大きな物語なんか描かないで、このままずっと「ちょっと棘のある」寓話をずっと書き続けていってほしいと思う。
前巻は久しぶりにキノたちとシズ様たちが再会したエピソードがあったが、今回はまた別々の旅。シズ様と忠犬・陸には、新しく「静かなる爆弾娘(笑)」ティーが加わった。この「爆弾娘」が比喩でないところが、オタク的には「萌えポイント」であろう(最近、「萌え」概念も何となくつかめてきた気がする)。けれどもシズ様は全くフラグを立てようって気配がない。「むかしの話」のエピソードでは、ある国の王子からティーが求婚されるのだが、シズ様はティーの幸せを思って、「悪い話じゃないと思う」とうっかり言ってしまう。当然、ティーは怒って無言でシズ様をドツクのであるが、もちろんシズ様は、なぜ自分が殴られなければならないのか(しかもグーで)、皆目見当が付かないのである。
でも恋愛シミュレーションゲームなら、一度は鈍感なところを見せておいた方が、ターゲットがプレーヤーの方に目を向ける(つまりはプレーヤーに惚れている)ことを自覚するきっかけになるから、これはこれでよいのである。ティーは絶対イイオンナになるぞ。そのうち絶対ドレスアップして、シズ様が「ティーってこんなにきれいだったのか」って驚くシチュエーションが出てくるに違いない♪
総じて寓話的な(しかもシニカルで殺伐とした)要素の強いシリーズだけれども、こういうラブコメ的というか、小噺的なエピソードが時折、緩衝材として差し挟まれているところが、このシリーズを単調・マンネリになることから回避させていることになっていると思う。
主人公のキノの話に触れなかったが、「自然保護の国」で、腐って倒れた巨樹について、その国の人たちに何一つ「真実」を教えずに去っていく「傍観者」ぶりは、いかにもキノである。キノはもちろん、冷酷でそうするのではなく、「旅人」である自身の分限を守っているに過ぎない。「愚かさ」もまた、その国の人間たちが引き受けるべき責務であるという視点が揺らがずに持続している点に惜しみない拍手を送りたいと思う。
10月28日(金)
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