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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■子役が大成するには/『諸怪志異(四)燕見鬼』(諸星大二郎)
 整理券を発行してもらうと、200名限定なのに番号はまだ52番。ちょっと「えー?」って感じである。福岡のオタクどもはいったい何をしてるんだと少しばかり憤りを感じたが、考えてみればあさり作品がオタクマンガの先陣を切って突っ走ってたころって、もう10年、いや、20年近く前なんである。今の若いオタクには『カールビンソン』がかつてはアニメ化されるくらい人気があったことや、『エヴァンゲリオン』の第三使徒サキエルほか、いくつかのキャラクターをデザインしたこととか、そういう基礎知識もないんだろう。
 まだ整理券の発行期間は5日ほど残っているので、もうちょっと数は増えると思うけれども、あさりさんのサイン会が百人足らずというのはちと寂しい。ファンの人でまだこのサイン会の存在に気付いてなかった人は、ぜひ今度の日曜に福家書店まで足を運んでいただきたいと思う。
 まだ買い損なっているマンガの新刊を数冊購入して、七階のトンカツ屋で食事、その後、病院へ向かう。

 今日は昼間、小倉の親戚が父の見舞いに来たそうだ。
 例の借金まみれの親戚で、申し出を断ったり、ほかにも細かいことで何やかやとトラブルがあったので、少し疎遠になっていたようなのだが、どこかから父の入院を聞きつけて、駆けつけてきたものらしい。
 「親戚が病気になっても、こっちは気付かんままのことが多いとに、こっちの病気はすぐ親戚に知れ渡るんやね」
 「そうたい。仕事しよって休んどったら、すぐに『店に出とらんけど、どげんしたとね?』って言われっしまうけんなあ」
 「見舞いには何か持ってきたとね。酒?」(この親戚は父の糖尿を知っていてもあえて酒を土産に持ってくることが多いのである)
 「今度はさすがに持ってこんやった(笑)。ばってん、来る見舞いがみんなおんなじことば言うったい。『もうこれで酒ば飲めんごとなったな』げな。俺はお母さんが亡くなる前もやめるときはちゃんと酒はやめとうとに」(もちろん母が亡くなってからの父はしこたま飲んでいるのである)
 「僕は何も言わんよ。『やめろ』って言っても、こっそり隠れて飲むのはいくらでもできるっちゃけんね。お父さんが自分で『やめる』って思わな、どうもならんやん」
 「飲んでも飲まんでも、まあ、俺もあと十年やな」
 「そこまで行ってやっと平均寿命やない」 
 父が本気で断酒するつもりがあるのか、どこまで信用していいかは分からないのだけれども、病院に自分から来たということはやっぱりもちっと長生きしておきたいという気持ちはあるのだろう。自重してもらえるならありがたい。たとえこちらがいい年をした大人になっていようと、いざというときに「たかれる」親がいないというのは寂しいものであるから(笑)。


 帰りにコンビニに寄って、『週刊文春』を立ち読み。
 小林信彦の『本音を申せば』、「『下妻物語2』をなぜ作らないのだ」とか「長澤まさみはいい!」とか、昭和7年生まれとは思えないような若い発言の連打。基本的な意見としては私も賛成なのだけれど、『下妻2』を作ろうってほどの力が今の日本映画界にはないし、長澤まさみをちゃんと女優として育てられるだけの監督がどれだけいるのかってことを考えると、先行きには不安要素の方が多い。
 小林さんは金子修介に期待してるようだけれども、その金子作品に長澤まさみが出演していたことを覚えている人がどれだけいるだろう。『ガメラ』の評価が高いために錯覚されているけれども、実際には金子作品五本のうち四本半くらいは駄作か珍作だ。金子作品がきっかけでブレイクした女優さんや美少女って、そんなにはいないと思うのだが。巷間言われてるほどには金子修介が女の子を魅せるのが上手い監督だとは思えないのである。


 帰宅して、昨夜録画しておいたNHKBS2の舞台中継、劇団ダンダンブエノ公演の『礎』を見る。東京まで公演を見に行って、最前列で堪能した芝居だが、私たち夫婦が映っていたかどうかは暗くてよく確認できず。つか、見てる間に芝居に引きこまれてしまっていたので、自分が映ってたかどうかなんて気にしなくなるのである。

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10月24日(月)
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