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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■伝わらないことばかりだけれど/『金魚屋古書店』2巻(芳崎せいむ)
 『響鬼』三十四之巻「恋する鰹」。
 私が脚本家交代後の『響鬼』擁護派だと勘違いしている人もいるようであるが、「過剰反応するなよ、もともとたいして出来のいい番組でもなかったんだから」と言っているだけで、現状の作品の出来を賞賛してるわけでは決してない。
 途中で路線変更を強いられりゃ、後を任された脚本家はどんな名手であろうと多少の混乱はするものだ。ましてや後任はあの井上敏樹である。どれだけ東映がスタッフ不足であるか分かろうというものだ。今更、ヒステリックなるほどのことはないだろう、もちっとまったりと見ていこうよ、と、「視聴者の態度」を戒めていただけである。それを「作品擁護」と勘違いするんだから、批判派がどれだけ冷静な判断力を無くしているか、そっちの状況のほうが情けないよね。既に劇場版『響鬼』のブログは完全に2ちゃんねる化してしまっている。
 作品そのもので見れば、今回のお話はこれまでの迷走を更に引っ掻き回しているような大迷走ぶりで、これからこのドラマがどこへ行こうとしているのか皆目見当も付かない。モッチーはいきなりキリヤ君に告白しちゃうわ(あれがラブレターでなくて食事のレシピだったりしたら糞笑いである)、あきらは急に将来に不安を感じ始めるわ、姫と童子の傀儡は仲違いし始めるわ、トドロキは糞コントを始めるわ、以前通りの自分の「味」を出せているのはやっぱりヒビキだけだったりする。
 でもそれを井上敏樹一人のせいにすることもできないよなあと思うのは、29話までの展開だってやっぱりどこへ行こうとしているのか分からない状態だったからだ。まったりするのもさすがに『ライダー』では考えものである。
 思うに、このシリーズ、もともと最終話までの青写真というもの自体、全然なかったんじゃなかろうかね。勝手な憶測ではあるが、製作会議みたいなものが開かれて、「これからシリーズはどんな話になるのか」と問われた前脚本家陣が「考えてません」とか正直に言っちゃったんじゃなかろうか。
 と言っても、私ゃ別に本気でコトの真相だのウラ事情だのを知りたいと思っているわけではないし、そんなのはそのうち、公にされる日も来るかもしれないし、来なかったからと言って、どうということもないのである。
 ただ、井上敏樹に対して言いたいことがあるとすれば、せっかくテコ入れに呼ばれたんだから、いつもの受けてるつもりの寒いギャグはやめてよ、話を進めてほしいと思うわけよ。『うる星』のころから思ってたけどさ、「あ、UFO」なんてギャグを押井守がやるとそのしょーもなさが「味」になってかえって受けるのに、井上敏樹がやるとなぜ受けなくなるのか、ギャグだってセンスだけじゃなくて理論で成り立ってるんだってことをいい加減で気付いてくれと言いたいんだよねえ。
 それから、頼むからあんな新米から一歩も出てないやつを「御大」なんて呼ぶなよ。まあ皮肉で言ってるんだろうけどさ。


 遅れていた日記をチマチマ書くが、下手にブログ日記まで始めてしまったせいで、なかなか進まない。書きたいことはそれこそ限りないくらいあるので、抑制することの方が難しいのである。やっぱり、読んだ本、見た映画、このあたりを省略するしかないのだが、それでも分量がいつの間にか原稿用紙にして20枚を越してしまうので、我ながら病気なんじゃないかと疑いたくなる。


 『TBSテレビ50周年 中居正広のテレビ50年名番組だョ!全員集合笑った泣いた感動したあのシーンをもう一度夢の総決算スペシャル』。
 『8時だョ!全員集合』の名場面ベスト30が見られるというのでチェック。見たところ、既発のDVDボックスに未収録のシーンばかりを集めていたのは立派だが、あのコントもこのコントも含まれてないなあ、というのが正直な印象。かなり人気があったと思われる「戦争コント」や「漂流コント」に、全く触れられていないのは放送コードの関係だろう。敵兵ぶち殺したり、土人から逃げたり、今じゃもう無理だわな。つまりそれだけあの番組は今よりずっと「自由」だったのだ。すわしんじの出演シーンが全くないのもなんだか意図的な気がしてイヤな感じである。

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10月02日(日)
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