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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■がんばれサイバラさん/『8MAN infinity(エイトマン・インフィニティ)』number.1,2(七月鏡一・鷹氏隆之)
私を知る人などは多分『NANA』まで見に行くつもりなのか!? と驚く人もいるかもしれないが、あれはまず間違いなくヒットする。しかもそのファン層の中心になっているのは腐女子ではなく、下手をすればマンガファンですらない。「普段はマンガを読まない女の子たち」ですら『NANA』だけは読んでいるという現象があるのだ。
ドラマそのものを面白く見られるかどうかは分からないけれども、それがなぜヒットしたかって現象の原因を分析することはできる。映画の面白さは、ドラマ部分よりも映画がその時代をどう象徴しているのかってことに現れている場合もあるのね。
『NANA』はマンガファンの枠を越えてヒットしている。同時公開の『仮面ライダー響鬼』はまず立ち打ちできまい。オタク人気が異様に高い『響鬼』だけれども、『響鬼』に見向きもしない層が『NANA』を見ている。二つの映画は全く違うけれども、「どう違うのか」ということは見てみないことには語りようがないんでね。
だから間違っても「宮崎あおいが目当てで見に行きたいんだろう」なんて突っ込んじゃいけないのである(笑)。
西原理恵子さんの『毎日かあさん』を巡ってのトラブルがちっとばかし大きくなっている。『毎日かあさん2 お入学編』を御読みになった方なら、その「トラブル」の原因が何であるかは先刻ご承知であろう。
簡単に言ってしまえば、西原さんがマンガの中に自分の息子の通う小学校の様子をセキララに描いているのが、コトナカレな武蔵野市にとっては甚だ都合が悪かった。で、西原さんに「学校を作品の舞台にしないでほしい」と申し入れ、西原さんとしては当然、そんなん、表現の自由の侵害やないか、ということで、諍いが起きているのである。
何が問題になったかって言うと、父兄参観の日に「クラスの五大バカ(注・西原さんちの息子含む)は机にきちんと座る以外は何でもする」と、その傍若無人ぶりを描いてるあたり。読売新聞はエラくて、当該のコマをちゃんと紹介しているが、それを見れば一目瞭然、要するに学校側としては「学級崩壊」の様子を世間にバラされちゃったのがむちゃくちゃ都合が悪かったってわけだ。
この件について詳述し出したら、それだけで原稿用紙100枚は突破しかねないので、もうヒトコトで意見をまとめてしまうが、「この程度のことでオタつくんだったら学校経営なんてやめちまえボケ」である。非は全面的に学校の側にあり、西原さんはちっとも悪くない。苫小牧高校の件と同じでね、不祥事は隠しとこうって「隠蔽体質」が染みついているからこんな対応をするわけであってね、「描かれて困るような教育をしている方が悪い」に決まっているではないか。
もうなんかね、学校とかPTAのね、言葉だけは「子供の人権」を守るとか言ってるけどね、内実はこんなバカ学校なんだと後ろ指刺されるのがイヤだって思ってるだけなのがモロ見えでね。教育者としてそんな姑息な手段に出ることが恥ずかしくないのかって本気で思うね。
だからこの小学校の何が大バカかって、西原さんに文句つけた時点で、このマンガに描かれていることが紛れもない「事実」であることを世間様に証明しちゃった点なんである。せっかく西原さんが「あくまでフィクションです」って言ってくれてるのに。
ここで重要になるのは、西原さんの息子が「たまたま」通った学校がこういうどうしようもない対応しかできてないというその「偶然性」である。では、もしもほかの学校であったら、この程度のことをマンガに描かれたからといって、笑って鷹揚に構えるくらいの度量を見せられたであろうか。私にはそうは思えない。恐らくは、日本全国津々浦々、殆どの学校はやはり「マンガに描かないでくれ」と懇願するか恫喝するような、低レベルな対応しかできない愚劣な教師ばかりが幅を利かせているのだろう。即ち、「学級崩壊を起こしていない学校の方が少ない」ということなのである。
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08月31日(水)
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