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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■60年間の原爆/舞台『おじいちゃんの夏』
そういう事実を無視して、広島は、長崎は、まだ十年一日のごとく「戦争は人が死ぬからダメだ」の単純かつ表面をなぞっただけの空虚な言葉を発し続けるつもりなのだろうか。たとえ日本が日米安保を破棄できなくても、広島と長崎だけは反米の姿勢を貫かなければならなかったのではないか。家族を、同胞を、愛する人々を虐殺された無念と怨念を、アメリカにぶつける必要があったのではないか。広島と長崎の声は、我々日本人にも届いてはいない。原爆は60年間、まだ投下され続けているのである。そして未来も。
実は今日はマンガ家の西原理恵子さんのサイン会が福岡で行われていたのだが、ほかに予定が先に入ってしまっていたので行けない(涙)。
北九州のリバーウォークまで、舞台『おじいちゃんの夏』を見に行くのである。
今回は、細川嬢とお友達のK嬢ともご一緒なので、一時半に九産大前駅で待ち合わせる。ところがしげが寝坊するわ、駅に着いたら着いたで、無茶苦茶激しい雷雨に見舞われるわで、大変な目に遭った。直径二センチはある雹がダダダダダと降っていて、駅から外に出られなくなってしまったのである。
少しばかり小降りになったところで、K嬢の運転する車に慌てて移動したが、それでもちょっとばかり濡れた。席を少し湿らせてしまって申し訳ないことであった。ところがこの雨が北九州に向かって走り出した途端、キレイサッパリ上がってしまったのだから、なんだか空にからかわれたような気分である。
リバーウォークには道を二、三回間違えながら到着。細川嬢もK嬢も現地には二、三回、行ったことがあるそうだが、そのたびに道を間違えているそうである。やっぱり女脳というのは「地図が読めない」ものなのだろうかと考えたが、これは女性差別じゃないよね。
会場は北九州芸術劇場の小劇場。中や大は入ったことがあるが、小は初めてだろうか。大きさが違うだけかと思ったら、椅子が折りたたみ式の簡易なもの。中や大に比べると、ちょっと「造りが甘い」感じである。
『おじいちゃんの夏』は今回が再演で、作・演出はもちろんG2さん。初演は見ていないので比較はできないが、ストーリーは同じでもキャストに若干移動があるようだ。
ある夏の嵐の夜、「ハハキトク」の電報に、山田家のお父さん・育雄(廣川三憲)とお母さん・政子(佐藤真弓)は慌てて実家に飛んで帰ってきた。ところが二人の前に現れたのはまるで元気なおばあちゃん・鈴(武藤晃子)。びっくりしながらもホッとする二人だったが、そこへおじいちゃん・惣一郎(小須田康人)が顔を出し、「たった今、鈴は亡くなったよ」と言う。じゃあ、今ここにいるおばあちゃんは? おばあちゃんは暢気に「あら、私、死んじゃったんだねえ」と微笑む。そしておばあちゃんの幽霊は、最後におじいちゃんに謎の言葉を残して消え去る。「あれをお願いしますよ、あゆみに」。
おじいちゃんには「あれ」が何だか分からない。それどころか、ショックでおじいちゃんの頭はボケ始めてしまった。そして、3年の月日が経った。
おじいちゃんの世話をするために。山田一家は実家に引っ越してきていた。おじいちゃんはもう、家族の顔もまるで分からなくなっているが、いつものんびりとマイペースで、そんな姿に、孫のあゆみ(武藤晃子・二役)は、何か癒されるものを感じていた。
ところが夏休みを目前にして、山田家にとんでもない事態が遅いかかって来る。お父さんが会社をリストラされ、お母さんがサラ金で一千万円もの借金を作っていたのだ。
借金の取りたてに山田家にねじ込んできた目黒組のヤクザ・太宰正臣(及川直紀)に向かって、お母さんはこともあろうに「あゆみが出場するクイズ番組で優勝して、一千万円を手に入れる」と見得を切ってしまう。けれどその番組「クイズ・ペアでミリオネア」は、家族ペアであることが出場条件。お母さんはクイズなんて全然ダメ、お父さんは舞台度胸がない。いったいどうすれば?
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08月06日(土)
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