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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■無意識の戦争/舞台DVD『仮装敵国 〜Seven 15minutes Stories〜』
 しばらく日本チーム(「ジーコジャパン」って言い方も意味不明で好きになれないのでこう呼ぶ)も負けが込んだほうが、にわかファンも減って、本当のサッカーファンだけが残るんじゃないかね。
 「好きなチームが負けても決してファンはやめずに応援する」これが本当のファンってものじゃないかね。
 ……あ、それで今気づいたけど、俺って、「選手」のファンになったことはあっても、スポーツ自体のファンになったことはなかったなあ。長嶋は長嶋、大鵬は大鵬だから好きだったのである。だから未だに野球のルールとか全然知らないんだけど。


 朝起きたらまた手足が痺れていて動かない。ものは何とかつかめるが、握力がなくて強く握ることができない。立ってもふらついてコケそうになってしまう。ちょっとシャレじゃない状態だったので、仕事を休む。薬も飲み始めたし、休み明けには調子も戻るだろうと思っていたのだが、そううまくはいかなかったようだ。
 年を取ったんだなあと自覚するのは悲しいが、ちょっと夜更かしが過ぎたりすると、すぐカラダに来てしまうようになってしまった。つかこれ、明らかにこないだのカラオケの影響だろう。もちろん体調のいいときなら多少の無理は利くんだが、体調のいいときの方が少ないんだから、もう無理はしちゃいかんということである。
 多分、毛細血管があちこち詰まりかけているのである。風呂に入っちゃ出、指先、足先を揉み解して半日過ごす。その間、しげが何をしているかというとやっぱり寝ているのである。もう文句を言う元気もないが、役に立ってほしいときに絶対に役に立たないんだよな、こいつは。


 舞台DVD『AGAPE store #10 仮装敵国 〜Seven 15minutes Stories〜』。
 G2演出の舞台はたいてい福岡か北九州には来るのだが、これはなぜか福岡での公演がなかった。DVD発売は何より嬉しい。「AGAPE store」としての公演だから、当然主役は松尾貴史である。『ガメラ』とか映画でのチョイ役出演や、バラエティ番組でのアンチ・オカルト・コメンテイターとしての彼しか知らない人には、舞台役者としての、喜劇役者としての彼をぜひとも知ってほしいところだ。
 今回は七人の作家による七つの短編オムニバス。どうしてもスケッチの羅列になってしまう分、松尾貴史が持っている天性の狂気と言うか毒と言うか胡散臭さと言うか、それがエスカレートしていく面白さは今ひとつ味わえないが、作品ごとに変わるキャラクターの変化、各作家の力量の差が見えるのが面白い。
 いや、一応、どの作品も水準以上の出来ではあるので、「差」と言っても部分的な視点における比較対照の問題でしかないということをお断りしておく。目安の意味で、今回は「点数」を付けてみることにする。
 共演は辺見えみり・コング桑田・八十田勇一・福田転球・久ヶ沢徹・春風亭昇太。

1,長塚圭史「素晴らしい愛をもう一度」55点。
 バスが自爆テロに遭って、妻(辺見)を失った夫(松尾)。彼は案内人(昇太)に連れられて、遺体が収容された公民館で妻と対面するが、妻は死んでいるにもかかわらず起き上がり、夫の浮気を責め立てる。そしてそれに同調するかのように他の遺体たち(コング・八十田・福田・久ヶ沢)も目覚め始め……。
 舞台でホラーをやるのはなかなか難しい。まあホラーというよりはブラックコメディだから特に怖くなくてもいいんだけれど、オチがオチだけに、笑いの中に一抹の怖さを漂わせることができれば本当はもっといいのである。起き上がるまではみんな死体っぽくていいんだけど、いったん目覚めると死体らしさがさらっと消えちゃうのが弱点。あと、冒頭の松尾と昇太の掛け合いがやや「外し」てるのもツカミに失敗している印象。案内人がわざと別の死体を教えるなんてイタズラ、いくらなんでもリアリティがないよ。

2,倉持裕「MEAT DOLL」70点。
 自己啓発セミナーで、3人の男(八十田・福田・久ヶ沢)が、指導官(昇太)から、「自分の肉体はあくまで『肉人形』に過ぎず、それを操る精神こそが自分なのだ」と洗脳される。その結果、ついに彼らは「他人の肉体」まで動かせるようになるのだが……。

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08月01日(月)
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