ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491661hit]

■星に花火/『新吼えろペン』2巻(島本和彦)
 惑星認定もまだである現段階では、はしゃぎ過ぎるのも早計だと分かっちゃいるんだが、つい、『セーラームーン』は新作が作られるのかとか、しょーもないことで騒ぎたくなるのは、オタクの性(さが)というよりは、我々の世代がかつて宇宙に限りないロマンを求めてきたロケットボーイズであるからだろう。「無限に広がる大宇宙」とか「Space is the Final Frontier」なんて言葉にたいしたときめきも感じない若い世代にとっては、今回の大発見も「へえ」で終わっちゃうんだろうなあ。そっちのほうがずっと寂しい。


 夜、P.P.Produce次回公演のための第一回打ち合わせ……のはずが、出席者が少ないので急遽花火大会に(笑)。参加者は、鴉丸嬢、其ノ他君、しげ、私と、去年も花火で遊んだぞのメンバー。
 だいたいうちの劇団、役者希望者がただの一人もいないというとんでもない劇団なので、「裏方手伝いならするよ」というメンバーが集まったって、現段階では打ち合わせにも何にもならないのである。とりあえず台本のシノプシスだけは二人に渡したけど、具体的な検討はもちっとあとになりそう。
 最初、去年も花火をした岳城まで登っていったのだが、どういうわけだか、11時も回った深夜だというのにやたら車が停まっている。もちろん、我々同様花火をしに来てるわけでは全然ない。だってどの車も上下に揺れてんだもん(呆)。
 いたたまれないので、目的地を変更、志賀島を目指す。途中、海の中道は何キロにも渡ってずっと右も左も海岸だから、どんなに人が来てたとしても、どこかに必ず花火の出来る場所はあるだろうという目算である。そう思って車を走らせたところ、確かに適当な場所は見つけたのだが、そこに至るまで走りに走った。
 いやもう、驚いたの何のって、右も左も延々と続く車の列。何十台、何百台来てるか分からないってくらいに車がずっと路駐しているのである。これは別に上下運動しているわけではなく、めいめいが花火をしたりバーベキューしたり何かハイテクなビデオビジョンみたいなの持ちこんで踊ってたりしているのである。
 確かに土曜の夜で翌日は休日だ、どこかで飲むよりみんなで集まって海岸でどんちゃんやった方が安上がりではあるかもしれないが、どうしてここまで人間が多いのか。こんな熱帯夜じゃ蚊にだって食われちゃうだろうに、そこまでして遊びたいのか、そういうエネルギー、他に使うことはないのかとか、自分たちも遊びに出かけているにもかかわらず、現代の若者の脳軟化現象を目の当たりにして慨嘆するのであった。
 結局、前々回公演のときに舞台で流した映像を撮影した海岸(鴉丸嬢がドレスで突っ走った海岸である)まで出張る。場所はもう殆ど志賀島の手前だ。そこでも既に遊びに来ている連中が二、三組、花火をぱんぱか海に向かって打ち出している。だからその元気、もっと有効に使うことできないのか。
 早速、しげが買い込んできた花火の袋を空ける。去年はネズミ花火とかスモークとか、夜中にやっても少しも面白くない花火ばかり買いやがったので、そこんとこ今年は「派手なの買え」と厳重注意しといたので、半分は打ち上げ花火。多分、二、三十発くらいはあったと思うが、其ノ他君と二人でどんどこ打ちまくったら、あっという間に終わってしまった。その間、鴉丸嬢はしげと二人で地味に線香花火とかしている。「男どもはどうしてあんなに打ち上げに熱中できるのか」みたいなこと言ってたけど、もちろんそれが男のロマンだからである。かと言って、フロイト的な解釈はしないよーに。

 思い切り喉が渇いたので、飲み水を求めてそのままカラオケになだれ込む。朝の六時くらいまで四人で熱唱。
 相変わらず鴉丸嬢と其ノ他君の歌う曲はオールドタイプの私には全然分からない。「ジムノペディ」って言われたら、私はエリック・サティしか思い浮かばないのだ。つか、こういうバンド名を付ける連中ってアタマ悪いとしか思えない。サティとその音楽性を比較される覚悟があってやってんのか? 度胸があるというよりはただの馬鹿じゃないかとしか思えないのだが。

[5]続きを読む

07月30日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る