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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■あのここな無知蒙昧な糞ったれどもめが(怒)/『空中ブランコ』(奥田英朗)
だから岡さんは、差別ギャグを飛ばしまくっていても、全然偉そうではない。他人を馬鹿にしても少しも上から見下げた感じがない。みんな庶民だし、貧乏だし、馬鹿(阿呆)だからだ。お互いに馬鹿にし合えるから楽しいのだ。だから一緒に笑えるのだ。えいくそ、書いてて涙が出てきたぞ。どうしてくれる。
関東人にも、岡・花紀コンビの芸を堪能する機会がないわけではなかった。しかし、二人の主演映画であり、東京にもその芸を認知させようとした『あゝ独身(チョンガー)』は、「関東人にも理解できるように」人情味を混ぜてしまったために、かえってその芸の力を減殺させることになってしまった。思い返すだに、その不運は悲しみて余りある(もっとも関西人は「どうして関東で認められなければならないのか」と憤慨するであろうが)。
岡さん(本当は「八ちゃん」と言ったほうが親しみが湧く)の死は、東京で言えば、志ん朝師匠の死に当たるほどの事件なのであるが、殆どの関東人にはまったくピンと来ない出来事であろう。私は一昨日の杉浦日向子さんの死と、同じかそれ以上のショックを受けているのだが、関西の人のプログとかを見ていると必ず岡さんの死に触れているのに、関東系の人は「誰それ」ってなもんだ。同じ日本人だと言うのに、この「文化落差」は何なのだろう。無知は罪悪だとつくづく思うことである。
昨週の映画興行成績、1位・2位は続映中の『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』及び『ポケットモンスター・アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ』が占めたが、3位に『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』が初登場でランクインした(4位以下は『宇宙戦争』『アイランド』『星になった少年 Shining Boy &Little Randy』『皇帝ペンギン』『電車男』『姑獲鳥の夏』『フライ、ダディ、フライ』と続く)。
公開2日間の成績は、動員で約18万人、興収およそ2億2500万円だとか。「eiga.com」では、「これは、今年の『コナン』のおよそ80%の出足となり、最終的には20億円オーバーも狙える好スタートとなった」「もちろん、シリーズ化は既定路線」「松竹としては待望のドル箱シリーズをやっと手にした感がある」などと、既にシリーズ化が決定的であるかのような書き方をしている。
けれど、オタクの特性を考えた場合、初日、二日目に客が押し寄せるのは当然のことで、本当にヒットしたかどうかは、来週にならないと分からない。アニメの場合、リピーターが現れ、評判が口コミでオタク以外の人間にも伝わらない限り、その後が続かないということもこれまでにままあったことである(前売券が記録的な売り上げを上げながら、前売り以外の客がほとんど来なかった『クラッシャージョウ』という前例がある。あれも松竹配給だったなあ)。
果たしてそれだけの力が『鋼の錬金術師』にあるものかどうか。いやね、映画を見て確かにこれは「続編のための伏線」を張りまくってるなあとは思ったものの、だからと言って本当に続編が作られるかどうかは、やはり映画がヒットするかどうかにかかっているのである。一説には既にスタッフは次期テレビシリーズの準備に取り掛かっていると言われるが、途中で頓挫する危険性だってある。映画の出来に関しては賛否両論喧しい。松竹はともかく宣伝戦略がへたくそだから、あまり皮算用はしないほうがいいんじゃないかなと思うんだけど。
ついについについに、マンガ家の中田雅喜(なかた・あき)さん・円尾敏郎さんによる『日本個性派俳優列伝4 テレビが生んだ悪役スタア 天津敏』(ワイズ出版)が刊行された。7月24日、天津さんの命日にである。
中田さんのホームページで、この本を刊行するためにひとかたならぬ苦労をされていた様子をずっと見てきていたので、刊行にこぎつけたことはまことに嬉しい。まさに感無量。いや、ホントに中田さんのコメント見ながら私は泣いているのだ。
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07月27日(水)
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