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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■批判は言葉で言え/『WāqWāq(ワークワーク)』3巻(藤崎竜)
「青山剛昌いけすかねえ」と思うのなら、作品批判を論文にして、どこぞのマンガ情報誌やアニメ・映画雑誌に投稿するとか、自分でホームページ立ち上げて好き勝手書きゃいいのである。こういう「暴力」に訴えるというのは、最低の手段だ。こういうことをされると、「コナン嫌い」がみんな犯人のような白痴じゃないかと疑う馬鹿だって出てきて、真面目に批判しようとする人間も一緒くたにされかねない。逆にマトモな「コナン批判」がしにくくなってしまうのだ。
「言論(小説やマンガ、映画などの作品も含む)でなされたことに対しては、言論で返せ」これが社会の、と言うよりは「人間のルール」というものである。警察、とっとと犯人捕まえて縛り首にしてしまえ(注・法的には器物破損で縛り首にはできません)。
……何だか興奮した文章になってしまいましたが、これ、ホントに私が犯人で、そのことを迷彩しようとしてこんなこと書いてるように見えなくもないですね。でも、全然違いますから、警察の人、私んとこに調査に来たりしないようにお願いします。
旧聞に属するニュースらしいが、角川書店から、今年末、「石ノ森章太郎萬画大全集」全500巻が刊行されるとのニュース。えーっと、『藤子不二雄ランド』が全301巻で、『手塚治虫漫画全集』が全400巻。これを軽く陵駕しちゃうわけで、当然、個人のマンガ全集としては世界最大級であるということである。
石ノ森章太郎の「選集」は、詳細な資料を兵録した石ノ森章太郎自選集『Shotaro World』全90巻が、メディアファクトリーから刊行されているが、これはあまり売れ行きがよくなかったらしい。角川書店、またでかい風呂敷広げやがったものだが、勝算はあるんだろうか? 手塚治虫も藤子不二雄も、初期作品は後期の作品と絵柄も違うし構成も稚拙と判断して、未収録のままにした作品が多かったのだが、いかに多作の石ノ森作品とは言え、500巻となれば、そういった初期作品まで博捜しなければ揃うものではないだろう。デビュー作の『二級天使』とか、正直、現代人の目で見て面白いとはとても言えないと思うのだが、そんなのを今の若い子に、どうやって買わせるつもりなのだろうか?(こないだ出た完全版、私は買っちゃったが)。
更に気になるのは、このラインナップに他作家との合作や、「石ノ森章太郎名義だが石ノ森章太郎が描いていない」作品も含まれてしまうのか、ということである。前者は赤塚不二夫との共同ペンネーム「いずみあすか」名義で描かれた作品や、鈴木伸一のペンネーム、風田朗名義で描かれたスタジオ・ゼロの合作マンガ『レインボー戦隊』、あるいはメインキャラ以外の殆どの作画を石ノ森氏が担当した『オバケのQ太郎』などがある。合作だけに、このあたりは権利的に収録がかなり難しいんじゃないだろうか。
そして、収録されても困るのが、「名義貸し」作品である。「監修」と銘打ってる『シャーロック・ホームズ』シリーズとかはさすがに含まれないだろうが、厄介なのは『マンガ日本の歴史』とかだ。初期は確かにご本人が描かれていたが、体調を崩した途中からはシュガー佐藤に全面委任してしまっている。『家畜人ヤプー』と言い、『北斎』と言い、『ホテル』と言い、石ノ森御大の跡をシュガー氏ほかが継いだ作品は多い。これらを「石ノ森作品」として認めてしまってよいものかどうか? いや、それを言い出せば、代表作と言っていい『人造人間キカイダー』だって、レイアウトは確かに石ノ森氏だが、作画は山田ゴロ氏ほかに描かせたもので、自筆で描いたのは最後の2ページだけなのである。一応、これはメディアファクトリー版でも「石ノ森作品」と認知されて収録されているから今回もそうなるとは思う(つか、これはカットしたらファンが激怒するだろう)が、手塚作品以上に石ノ森作品には「あいまい」なものが多い。しかも、御大の作品と比べると、そういった「名義貸し」作品は、一部を除いて駄作があまりに多すぎるのである。ラインナップによってはまるで売れないものも出てくるのではなかろうか。
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05月07日(土)
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