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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■カリスマヒロインは生まれるか?(追加アリ)/『PLUTO(プルートウ) 02』豪華版
大金かけた大作も当たらなくなり(『天と地と』は興行収入の額面ではヒットしていたように見えるが、協賛会社へのノルマチケットの売り付けが激しく、劇場は閑散としているという事態が生じて問題になった)、『ぼくらの七日間戦争』で宮沢りえを映画デビューさせたものの、製作と監督との間で確執を起こして次が続かず、それやこれやで新しいスターを模索しているうちに、既に子役として有名になっていた安達祐実に白羽の矢を立てて育てていこうとしたら(『恐竜物語 REX』)、角川春樹社長が麻薬取締法違反で逮捕である。
こんなに分かりやすい転落ぶりもないが、角川映画に魅せられて(つか、薬師丸ひろ子と原田知世に入れ込んで)、出来が悪かろうがなんだろうが殆どの角川映画に足を運んでいた私にしてみれば、悲しささびしさもひとしおだったのである。
角川映画はまさに三人娘とともにあった。それが角川映画のカラーでありブランドであった。角川歴彦社長のもと、大映も合併吸収し、再びヒット作も制作しつつある現在、新しい「角川アイドル」を発掘しようというのは当然の成り行きだろう。
ちょいと気になるのは、「主演映画が『野性の証明』から『ぼくらの七日間戦争』までのヒット作からリメイクする」というくだりである。つまりは新しい企画が立てられないということで、新人抜擢の企画としては弱いんじゃないか。たとえば『野性の証明2007』なんてのに今更魅力を感じる客がいるのかどうか。ましてやもう、何度リメイクされたか知れない『ねらわれた学園』や『時をかける少女』を望むファンもいないんじゃないかと思うが。
可能性があるのは、今度こそ赤川次郎の原作に忠実な形で、『セーラー服と機関銃』をライトにリメイクするとか、バックステージものに改変された『Wの悲劇』を原作通りミステリーにってとこか。『悪魔が来りて笛を吹く』や『悪霊島』とか、横溝ミステリーはヒロインものには向きそうにない。どれも一長一短というか、ちょいと地味だ。
意表を突いて『幻魔大戦』実写映画化というのはどうだ。これならルナ姫という絶好のヒロインがいるわけだし、今度こそSFファンが長く待ち望んでいた「お月見」のシーンを映像化することができるのである。……つかさー、ほかにリメイクに値するようなヒット映画って、殆どないと思うんだけど。
『金田一耕助の冒険』は無理だろうなあ。
マンガ、浦沢直樹×手塚治虫『PLUTO(プルートウ) 02』豪華版(小学館)。
あのおまけはないだろう、という不満はあるが、待望の第二巻がようやく発売。
プルートウと対決する七人のロボットは今巻でヘラクレスが登場したのでほぼ揃い踏みである。やっぱりヘラクレスはマッチョになるのだなあ(笑)(エプシロンもチラッと登場)。
原作レギュラーのお茶の水博士、田鷲警部、中村捜査課長、そしてついに登場のアトムの妹・ウランと、なんかもうファンとしてはワクワクを通り越してドキドキが喉までせりあがってくる感じ。お茶の水博士のデザインなんて、こりゃもう絶対この人勝田久の声で喋ってるよって言いたいくらいドンピシャなアレンジだ。
その完成度の高さゆえに、最近はあえて批判する人々もいるようだけれども、そこまでヒネクレなくてもいいんじゃないかねえ。確かに漫画史上における最高傑作とまで言われりゃ、そりゃ持ちあげ過ぎってもんだろうとは思うけれども、これを越えるほどに面白いマンガが今どれだけあるのかって考えると、今現在、このマンガと出会えた至福を素直に感じてもよかろうと思うのである。
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04月28日(木)
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