ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491661hit]
■まただ。(追加あり)
本音を言うと部屋を片付けないと今晩寝る場所もないので、出勤なんぞはしたくなかったのだ。しかし今日はかなり重要な用件の出張もあって、おいそれと休むわけにはいかなかった。けれどもこの状況でどれくらいの社員が出勤しているものかと疑いつつも職場に駆けつけてみると、60人か80人くらいいる社員のうち、集合したのはわずかに10人ほど。当然、仕事になんぞなりゃしないのだが、それでもどうやって来たんだか、支社長は「昼までは仕事をします」と言って、、お茶を濁す程度の作業しか捗らないにもかかわらず、出勤してきた少数の社員をこき使ってくれたのである。人の情というものがないよ、今度の支社(まあ、ある支社のほうが少ないのだが)。
出張は午後からだが、JRの復旧は全く目途が立たず。それは「予想の範囲内(笑)」なので、実はしげを会社に連れてきて、そのまま待たせていた。待合室で一人ぽつねんと5時間あまりほったらかしとくのは正直、胸が痛んだのだが、これはもう天災のなせる業であるし、緊急事態なのでどうにもしようがない。車の運転が出来ないと、こういうときに一番迷惑をかけてしまうのだが、これとても目が悪いのは生まれつきなので、誰を恨もうにも恨めないのである。
帰宅は5時半、それから夜まではひたすら部屋の片付け。一時は疲れ果てて父のマンションに泊めてもらおうかとも考えたが、8時半ごろにはとりあえず横になれる程度の床は掘り出すことができた。正直、また山崩れを起こすことを考えると、ただ本を積み上げるだけでは怖いのだが、収納棚が限界に来ているので、ほかにどうにも手段の取りようがないのである。
劇団の関係者との連絡は、夕方までにほほ取れて、全員、無事を確認した。
確認が一番遅れたのは鴉丸嬢だが、昼夜逆転の生活をしている鴉丸嬢、地震の瞬間は爆睡していたそうである。鴉丸嬢、結構神経は細いほうだと思っていたのだが、あれで眠っていられたとというのは、もしかしたらかなり「大物」なのかもしれない。
夜には義父も安否を問い合わせてくる。多分、十年くらいお会いしていないし、電話も恐らくは半年か一年ぶりだろう。もちろんしげのことを心配してかけてきたのだが、「代わりましょうか?」と言ったら「いや、いいよ」と断られた。この親子にもいろいろあって、普通に会話することができない。何とかならんものかとは思うのだが、何とかなったらなったで何ともならない事態にもなりそうで、なかなか問題は難しいのである。
テレビを点けると、ニュース番組で地震の専門家とやらが、「余震は収まってくると思いますが、まだ震度4程度の地震が二、三ヶ月以内のうちに起こらないとも言えませんので、注意してください」なんてことを言っている。
「注意しろ」って、注意したってどでかい地震が一発来たらどうしようもなかろうに、この人は何を能天気なこと言ってるのか、と腹立たしくなる。だいたいこんな台詞、シロウトでも言えるではないか。専門家を名乗るなら、せめて70%くらいの確率で地震を予知してほしいものだが、どうにも科学とやらはなまずよりも役立たず学問のようである。
余震は今も続いている。
〔訂正〕
烏丸嬢から、「地震の瞬間には起きてたよ」と訂正の連絡がありました。私からのメールを受け取ったのは地震後しばらくしてで、回線が混乱したせいで遅れたらしいのです(だから直接通話はダメでもメールなら大丈夫という報道は間違いなのである)。ちょうどそのときは「寝ていた」という意味だったんですね。
「地震でも爆睡する女じゃないよー」ということなので、ここに慎んで訂正させていただきます。
04月20日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る