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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■心に残る余震/『新・吼えろペン』1巻(島本和彦)
しかし、自分が死の恐怖を感じたからこそ言うのだが、「まさかこんな目に遭うとは」とか「福岡の安全神話が崩れた」とか、大仰に騒ぐ連中よりも、素直に「楽しかったね」と喜んでいる人間のほうが私はよっぽど“人間として”信頼できるのである。……いや、しげの場合はちょっと楽しみすぎだが。
楽しんでるんなら楽しんでるって素直に言えや。バレバレの演技なんかされたって、こちとら嬉しくもなんともねえんだよ。
地震や台風といった天災に限らない、人生の苦悩だの不安だの、病気や重症だのをことさらに訴えて他人の同情を図ろうとする類の人間は、ちょっと“つついて”やれば、実は自分の悲惨な境遇を「楽しんで」いることを露呈してしまう。本当に苦しんでいる人間は、自分の苦しみなどおくびにも出さないで笑っている。「苦しんでなどいられない」現実を否が応にも実感せざるを得ないからだ。
あー、それでですね、私が病気のこととか地震のせいで不安神経症になってるとか書くのはですね、これ、皆さんに同情を求めているわけではなくて、単なる露悪趣味です。かえって心配をかけるから書くなとお叱りを受けそうですが、だからと言って日記に現在の心情を書かないで「隠しておく」なんてのは、それはそれでただのカッコつけだなと思うので、思ったことは何でもまんま書くようにしてるんです。いやもう、「全然心配なんかしてませんでした」と言ってくださるほうが私も気がラクですし、お見舞いなどもお返しとかがめんどくさいので要りません。私の書く文章をあまり真面目に受け取らないようにお願いいたします。
地震関連のニュースで言えばもう一つ、「マリノアシティ福岡」に隣接し、世界第二位の高さを誇る「エバーグリーンマリノア」の大観覧車(高さ120メートル、直径112メートル)のゴンドラ2基(あるいはもっと)が、地震当時に誤作動して、乗客を乗せたままの状態で自動扉が開いちゃったそうだ。観覧車は数分間停止した後で動きだし、地上に着くまで約20分ほどかかったが、その間、乗客が非常連絡用のボタンで係員を呼び出し、「手動で扉が閉まらないのか」と聞いたところ、係員は「閉まりません。すいません」と言うばかりだったとか。何とも暢気な対応であるが、確かに手動で動かすことが不可能なら、「降りるまでがんばって落ちないように」としか言いようはないわな。アニメとかだとこういうぎりぎりの瀬戸際になった場合はたいてい「機械よりも人間の力」を優位に置く展開になるものだが、現実にはもう、機械は人間の力を拒む存在として確立してしまっているのである。つか、これだけ機械にかかわらずにはいられない時代、人間の力だけで出来ることって、なにがあるんだろうか?
で、この乗客さんたちは地震保険に入るようになるだろうかね。
しげの体調すぐれず、迎えには来れない。
バスで帰ったので、定時に退出しても帰宅は七時過ぎ。転勤になれば、交通機関を使っても六時台には帰れるだろう。四月からは少しは自分の時間が増えそうである。
しげは最近、睡眠薬の量が増えていて、ちょっと危険な状態である。眠れないのは要するに心のバランスが崩れているからなんだが、結局は規定以上の量を飲んで眠りこけてしまっているので、眠れていないわけではない。それなら精神安定剤か抗鬱剤だけ飲んでりゃ、落ち着いて寝られそうなものなのだが、もうしげは「睡眠薬がないと眠れない」という思い込みに支配されてしまっている。でも神経科に通う以前から「眠れん眠れん」とうるさかったしげは、いったん眠ると12時間以上も眠りこけていた。だ・か・ら、後で眠れなくなるのであるのであって、睡眠を普通に六、七時間にとどめておれば、早く眠れるようになるのだ。
今日の日記に、しげは「怒られた」と書いていたが、これは医者から「薬の飲みすぎ」を注意されたのである。つか、これでもう二度目か三度目。そりゃ、一週間分の薬を三日か四日で飲みきってしまえば叱られるのは当たり前だ。服用し始める前とその後とで、トータルな睡眠時間が結局は変わってないのなら、もう飲むだけ無駄なのは歴然としているから、睡眠薬はもう必要ないと思うんだけれど、注意したって私の目をかすめて飲まれちゃもう、どうしようもないのである。何でここまで意志が弱いかね。
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03月23日(水)
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