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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■白い、車に、変えたのは〜♪/映画『THE JUON/呪怨』
 慌てて駆けつけたアレックスは、放心状態に陥ったカレンと、眠るように死んでいるエマを発見する。カレンが発見したという少年の姿はどこにも見当たらなかった。アレックスの通報で駆けつけてきた中川刑事(石橋凌)は、そこがかつて、佐伯剛雄(松山鷹志)という男が妻の伽椰子(藤貴子)と息子の俊雄を惨殺した後、首吊り自殺した家であったことを思い出す……。

 オリジナル版と基本的にストーリーや設定は同じ。
 アメリカ版だからといって、『ザ・リング』のように舞台をあちらに移さず、日本を舞台にしたのは一つの判断として成功していると思う。向こうの俳優さんでも恐怖の幽霊を演じることはできるだろうが、日本人ののっぺりした顔の怖さというものもあちらさんに味わってもらうには、オリジナルの佐伯一家に再々々々々登板していただくのが一番であろう。でも、あまりの恐ろしさにアメリカ公開版ではいくつかのシーンがカットされたというから、もしかしたら藤貴子と尾関優哉のあの恐ろしい顔を目にすることは叶わなかったのかもしれない。DVDリリースの際は、ぜひオリジナルの恐怖を味わっていただきたいものだ。
 物語は、オリジナル版よりも人物やエピソードをいくつか整理して、よりすっきりした形になっている。時間軸がエピソードによって前後する構成は今回も取られているけれども、オリジナルでは物語をブツ切れにして散漫な印象になっていたものが、ヒロインのサラ・ミシェル・ゲラーをよりフィーチャーして最後まで物語に絡めているおかげで、かなり引き締まった出来になっている。佐伯家の惨劇を幻視するのはオリジナル版では元刑事の遠山雄治(田中要次)だが、このキャラクターを中川刑事とカレンとに振り分けて、カレンが最終的に全ての真実を察知する、という構成になっている。必然的に遠山の娘のいづみ(上原美佐)の役もカレンが引き受けることになり、最後の恐怖も……ということになるわけだ。サラ・ミシェル・ゲラーファンにとっては満足満足の一本だろう。いや、角度によってはちょっとアレなカットもあるけど、ツンとした鼻と甘えん坊な唇が可愛いっスよ。ホントの年齢は27歳だけど、いや、充分女学生に見えます。『バフィー』シリーズはあまり熱心に見てなかったけど、遅れ馳せながらファンになろうかと思いますですよ。
 オリジナル版に引き続きの出演は、当然佐伯家のお三方だが、もう一人、同じ「警備員」役で森下能幸も出演。しかもオリジナル版では伽椰子の呪いで死んでしまったものが、今回は助かる。「佐伯家に立ち入った者だけが呪われる」法則に従うと、無関係な警備員が死んでしまうのはおかしいわけで、細かい点だけれどもちゃんと辻褄を合わせているわけである。
 『ザ・リング』も日本映画のハリウッド・リメイクとしてはかなり理想的な形だったが、清水崇監督がオリジナルの精神に拘り、プロデューサーのサム・ライミにそれを許容する度量があったことが、本作の成功に繋がったと見てよいだろう。ほんとにねえ、すごい快挙なんだから、もちっとお客さんが入ってほしいよねえ。
 え? 怖いのはダメ? いや、それほどじゃないから大丈夫ですよ。怖がり屋のしげも今度のは「そんなに怖くなかった」って言ってたから。なんだかんだでやたらホラー映画に連れて行ってるせいか、しげにも少しは免疫ができてきたみたいなんである。これでオバケ屋敷で立往生することもなくなるんじゃないかな(昔、鴉丸嬢とオバケ屋敷に入ろうとして、入口で足がすくんで動けなくなり、係員に追い出されたらしい)。


 しげが今日の日記に「トイレ最長記録は17時間。まだまだいける!」とか書いてるけど、これは「外出している間、トイレに17時間ずっと行かなかった」という意味であって、17時間トイレに入りっぱなしという意味ではない。だからどうしてマトモな日本語書こうとしないかなあ。誤解されるのは自分だというのに。

02月16日(水)
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