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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■吾妻ひでお復活!/『魔法戦隊マジレンジャー』第1話ほか
 ただ、展開がギャグっぽくなっている分、敵の妖怪との対決が逆に取ってつけたようになってる印象はある。今回の敵はヤマビコ。でも外見は赤面猿といった感じ。前回もオスメス型の妖怪(「怪童子」と「妖姫」と言うのだそうな)と巨大蜘蛛が出てきたから、最後に出て来たデカイのが「巨大ヤマビコ」になるのかな?


 で、あと一日何をしていたかというと、昨日に引き続き、『いたスト』やってました(^_^;)。
 だからゲームは魔窟なんである。


 読んだマンガの感想を最近なかなか書けないが、これだけは絶対書いとく。
 と言っても、旧作の再版が殆どの吾妻ひでお作『オリンポスのポロン』1、2巻。これが「ハヤカワ文庫」から出版されていることの意味も、今の若い人にはわかんなくなってるんだろう。……あのね、ここだけの話ですが実は吾妻ひでおって、「えすえふ」なんですよ。
 『おちゃめ神物語コロコロポロン』と改題されて1982年にテレビアニメにもなったから、20代の人は知らなくても、まあ30代以上の人ならば覚えている人もいるとは思う。ギリシャ神話をベースにして、半人前の女神ポロン(太陽神アポロンの娘)が、一人前の女神になるべく頑張るという、いかにも少女マンガ的な物語だが、実は吾妻ひでおのマンガの中でも、最もロリ度が高い。ロリコンブームの中でこれが吾妻まんがアニメ化の第1号に選ばれたのもそれが理由だろうが、残念ながらスタッフがヘボヘボで、ポロンが全然可愛くなかった(二作目の『ななこSOS』はちょっとマシになった)。今回描き下ろしの「あとがきまんが」を読むと、当時の監督、まるでやる気がなかったらしい。『J9』の監督もやってて、それなりに人気はあった人なんだけれどもねえ。
 今でも私は「こーわくない、でもこっわっいー、はーずかしいー、でもうっれっしー♪」って『ポロン』の主題歌が歌える。でも実はそのころ大学生だった私の下宿にはテレビがなくて、実家に帰ったときくらいしか『ポロン』は見たことなかった。じゃあ、なぜ主題歌が歌えるかというと、吾妻ひでおのファンだった某友人が、学内だろうと道端だろうと、人目も憚らずに口ずさんでいたので、横で聞いてて自然に覚えてしまったのである。私のことをロリだと勘違いする人がいるが(女房と結婚したとき、向こうが18歳だったから誤解を招いたのだ)、ロリ度においてはその友人の方がはるかに上だった。だって俺、吾妻ひでおはともかく、内山亜紀までは集めてなかったもん。これだからオタクはよう。
 本当は吾妻ひでおの世界は更に幅広く、最先端のSFをまんがの形でコアなファンの間にも浸透させていった。『やけくそ天使』『贋作ひでお八犬伝』『不条理日記』『スクラップ学園』『陽射し』『メチル・メタフィジーク』などなど……。
 つまりそれくらい「吾妻ひでお」は80年代の「SFファンの(およびロリコン)のカリスマ」的な存在だったわけであるが、まあ、この『ポロン』がヒットしなかったのは痛かった。多分、みんな次の「吾妻アニメ」に期待したファンはたくさんいたと思うが(特に『スクラップ学園』は誰もがアニメ化されると固く信じていた)、『ポロン』と『ななこ』の二作で、吾妻アニメはその歴史を閉じてしまったのである。
 今、原作マンガを読み返してみると、パロディでありながら、『ポロン』は意外にも原典であるギリシャ神話にかなり忠実である(オリジナルキャラであるポロンですらパエトーンをモデルにしていることを今回あとがきまんがで吾妻さんは明かした)。ペルセウスと結ばれるのがアンドロメダではなくメドゥーサだったりするという改変はあるが、それは吾妻さんが蛇女に変身させられたメドゥーサを哀れんでいるからだろう。ブラックなギャグの背景にある吾妻さんの優しさがこのあたりにも垣間見える(だって、メドゥーサのキャラ、まんま当時吾妻さんがファンだったアグネス・チャンなんだもの)。そういう発見も今読むと新鮮だ。
 2巻の解説で、山本直樹さんがこう書いている。
 「現在の日本のマンガの半分は手塚治虫が作ったものです。あとの半分はつげ義春が作ったものです。で、その二つを一番最初に融合させたのが吾妻ひでおだったと思うのです。」

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02月13日(日)
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