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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■世界の中心で「サイテー」と言える映画/ドラマ『富豪刑事』第3回「密室の富豪刑事」ほか
 これも原作付きのエピソードで、骨組はしっかりしている。ゲスト俳優も多彩で、犯人たちのほかにも、「ありす鋳造」の社員たちで佐々木勝彦、上田耕一、奥村公延と特撮映画でもお馴染みの渋い役者さんがずんどこ出て来るのだからたまらない。みなさんいい味出してるけれど、特に上田さんが入札に勝利して江草兄弟に向かって見せる微笑のかっこよさはもう最高! ストップモーションで見せてくれる演出は臭いけれども、上田さんになら許せる。オジサンが活躍するドラマは須らく傑作となるのである。……と言いたいんだけれど、全体としての印象はやっぱりつまらない。前二話と同様、刑事たちがあまりに間抜け過ぎるので、笑えるどころかシラケてしまって、結局はマイナスの効果しか生んでいない。筒井康隆のスラップスティックな味を体現できないなら、かえってシリアスに演じてくれた方がまだ見られるものになるんじゃないか。要するに、演出がコメディと一人よがりの悪ふざけとを混同しているのである。視聴者に宴会のオヤジギャグレベルの芝居しか見せられてないことに気がついてないのかねえ。
 ミステリとして見た場合も、役者の演技、脚本、演出、全て雑なので、チャチさばかりが目立って仕方がない。犯人たちが「トリックがバレても俺たちが犯人だって断定する証拠はない」なんて言ってるけど、そうかあ? アレとかアレとか、物的証拠がいくらでも見つかると思うけどなあ。さらに言えば第二の「口封じ」殺人の情けなさ。あんな小学生向けの学習雑誌の推理クイズコーナーにしか出て来ないようなバカトリックをよくも堂々と使えたものだ。……つか、ホントにオレが小学生のときに考えたトリックと全くおんなじだったよ(^_^;)。つまりは誰でも思いつく幼稚なトリック(と言葉にするのも恥ずかしい)なんで、あんなのに引っかかるバカ刑事なんて、世界中探したっていねーって。
 それからフカキョン、またちょっと太り出してないか。ウエストがかなり怪しくなりだしてるから、ちゃんとマネージャが付いて食品管理もしてあげろよ。


 第77回米アカデミー賞の候補作が昨26日に発表されたけれど、日本未公開の作品が多いので、大賞についてはなんとも言いようがないのだが、ちょっと気になったのは、外国語映画賞と長編アニメーション賞である。
 日本の『誰も知らない』と中国の『LOVERS』が洩れたのは仕方がないだろう。どちらも個々の役者の演技としては輝いてはいても、映画全体としては世界的な普遍性を持った映画ではない。ただそれは決して両作にとって汚点となることではない。『誰も』も『LOVERS』も、それぞれの国の文化風土を踏まえてこそ感銘を受ける性格を持った映画なのであって、普遍性だけが映画の価値ではないからだ。黒澤明の「映画は世界の言語だ」は理想論に過ぎない。
 長編アニメーション賞での『イノセンス』のノミネートはハナから期待してはいなかった。反キリスト教的世界観に彩られたあの映画をアメリカが受け入れるはずがないのである。ノミネートされた『Mr.インクレディブル』や『シュレック2』が『イノセンス』より上かと言うと、そんなことはないのであって、両作とも悪い映画ではないが、予定調和で成り立っている点では新鮮味はない。やはり「アメリカ人好み」という特徴は如実に現れているわけで、所詮アカデミー賞はアメリカの国内賞に過ぎない。カンヌ、ベネチア、ベルリンと並び賞するのは間違ってるよなあとずっと思ってるんだが。


 『ゲゲゲの鬼太郎』が堤幸彦の監督で実写映画化だって。
 キャストは未定だが、松竹の久松猛朗常務は「イメージだと鬼太郎は堂本剛君、目玉親父はさすがにCG」とコメントしたとか。……鬼太郎って10歳って設定なんだけど。ハットリくんの香取慎吾って例があるから、その辺はどうでもいいのか。
 もう去年までで腐るほど(で腐ってたし)マンガの実写化は見てきたし、『鬼太郎』の場合はテレビで既に二度実写化されているから、もう驚きはしない。
 前二作の出来を見て知ってるだけに「またかよ止めろ」と言いたくはなるけれども、まあ何が出来ても『デビルマン』よりはマシだろうからいいや。どんどんココロが広くなってきてるなあ(^o^)。


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01月27日(木)
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