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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■げほぐほがほ/『第4回日本オタク大賞』後編ほか
 こないだ、大学センター試験の国語問題が、第一学習社の教科書に載ってた大岡信の文章と全く同じだった、という事件の時にも思ったことだが、一つの作業にそれこそ数え切れないほどの人間が関係しているというのに、「誰も何とかできなかったのか」と腹立たしくなる。何ともできなかったんだろうけれども。
 はっきり言うが、センター試験だって、200人以上の人間が問題をチェックしているのである。それで「気付かなかった」なんてことがあるわきゃないんで、結局「チェックなんかしなかった」やつ、「ミスには気付いたけど、“そのことを指摘すると内部で誰かが責任を取らなきゃならなくなる”と思って見逃した」やつがいるはずなのである。外部に指摘されて問題化するよりゃいいだろう、と仰る人は、「組織」というものを知らない人だ。外部からの指摘なら、責任の所在をウヤムヤにして誰も処分されないですむ可能性の方が高いのよ(-_-;)。
 『DEVILMAN』の場合も、脚本が何人もの人間を経て改稿されまくったそうだが、それでできたのがアレなら、途中で「もうオレは知らんもんね」とみんなで投げまくったのだと判断するしかない。那須博之監督、現在どんな心境でいることか。
 『ゴジラ FINAL WARS』についてはドリー・尾崎氏の「北村龍平殺したらあ」発言で大いに溜飲が下がる。いや、実際、アレの監督が北村龍平で、余計なことさえ言わなければ誰もあの映画に腹立てやしないのだ。ゴジラファンはもう30年も昔からゴジラの「いじめる?」も「シェー」も「幸せだなあ」もその他もろもろの眼も当てられない映画を許してきたのである。それを考えれば、『FINAL WARS』は面白い部類に充分入る。けれど、あれを「ハリウッド映画に比肩する大作」なんて監督が嘯いてるから「ふざけんなボケ」ということになるのである。あまつさえ、ドリー氏の「なぜジェット・ジャガーが出ないんですか?」の質問に対して「オレの映画の世界観に合わないから」とはなんだ。ジェット・ジャガーだってメガロだってショッキラスだって大ダコだって出て全然おかしくないだろうがよ。『怪獣総進撃』のリメイクなら、ちゃんとバランもバラゴンもファイヤードラゴンも出してやれよ。つか、敵が宇宙人ならどうしてドゴラが出ないんだよ。
 間違っちゃいけないが、『FINAL WARS』は分別のあるいい大人が見る映画じゃない。『冬ソナ』見てヨン様ヨン様言ってるおばはんとか『セカチュー』→『イマアイ』→『東京タワー』と流れていってるような恋愛中毒症とは縁もゆかりもない映画である。あれを楽しめるのは、「怪獣だいすき!」な子供か、大人になっても幼児性引きずってる馬鹿なオタクだけである。「大人の鑑賞にも堪えうる」なんて口が裂けても言うつもりはない。私は「幼児性」の部分であれを大いに楽しんだのだ。だから、普通の大人にあれを勧めようとはこれっぽっちも思わない。北村龍平はもっともっと叩かれなきゃいけないと思う。自分の資質が「大人の映画」には全く向いていないことを知って、その上で堂々と「子供向け映画」を作れば、誰も文句は言わなくなると思う。
 ……おっと、やっぱりこの手のオタクネタになると、ついうっかりムダ話が増えちゃうなあ。あとは賞の結果にだけ触れとこうと思うけれども、唐沢俊一さんが個人賞で『ベルヴィル・ランデブー』を挙げておられたことには狂喜してしまったが、「一部のマニアには『これはすごい』と評判」とか「私しか賞を挙げようという人はいないだろうから」と仰っていたのにはフクザツな心境。そうなんだよなあ、本当に“一部”の人間しか評価しようとしてないんだよなあ。いくら私が「あれは面白いぞ!」と言っても、私の周りは殆ど無反応。「それ、なに?」ってなものである。オタクの浸透と拡散がいくら進んでいるとは言っても、「自分の見知っている範囲のものしか面白いと思わない」偏狭な態度はいくらなんでも悲しすぎる。もちっとみんな映画見ようよ(+_;)。
 ちなみに、『オタク大賞』では「フランス映画だけれど、製作は殆どカナダで行われた」とコメントされてましたが、正確にはオーストラリアです。シルヴァン・ショメ監督本人が広島アニメフェスティバルでそう言ってたので。

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01月25日(火)
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