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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■今年も毎月芝居が見たい/舞台『大騒動の小さな家』ほか
 ……というのも、私たち夫婦はかなり退屈してしまったからである。未来から母親に会いに娘がタイムトラベルしてやってくるという設定、もういい加減手垢が付きすぎているが、これはこれでアレンジのしようでどうにでも面白くすることはできる。ところが、ここで事件らしい事件が全く起こらないのだ。タイトルの「大騒動」なんてカケラもない、普通の日常がダラダラと過ぎていって、やがて娘は未来に帰る。いくつか小さなトラブルはあるが、芝居が盛りあがるほどではない。ただそれだけの何の葛藤もないドラマをどう面白がれというのか。
 別に私たち夫婦が芝居見巧者だとは思わないが、余りにも古色蒼然とした設定、ドラマツルギーの基本も分かってない展開、ぬるい演出が連続すれば、苦痛ですらある。役者さんはそれなりに頑張ってるんだけれども、そもそも脚本がどうしょうもないので、ノリようがない。……はずなのに、やたらゲラゲラ笑ってる人もいるんだよなあ。よく言われてることなんだけれど、今の観客、ホントに笑いすぎなのだ。どう見てもつまんない芝居になぜ笑うのか、「カネ払ってんだから笑わなきゃ損」とでも思ってるんだろうか。

 私もしげも、無口で劇場を後にする。
 いい芝居を見ると二人ともやたら饒舌になるのだが、つまんないとお互いの顔色を伺って、「どちらが先に口火を切るか」と慎重になるのである。まかり間違って、「面白い」なんて言われたらどうしよう、と不安になるのだ(^_^;)。
 誘惑に負けたのは今日はしげの方で、「面白かった?」と聞かれたので、「今イチ……、今二……今三くらいかなあ」と答えた。
 「役者がもっとよければねえ」と溜め息をつくしげ。
 「役者の問題よりそもそも脚本が悪いよ。キャラクター同士に何の葛藤もないんだもん。娘がタイムトラベルしてやって来るんだったら、普通、それを引きとめるタイムパトロールとか出てくるもんだろう。受け入れるほうだって何であんなに簡単に未来人だってことを信じて受け入れるんだよ」
 「西村雅彦や安達祐実にそんな演技はムリだよ」
 「演技の幅が狭いのは分かるから、役に合わせて脚本書き換えればいいんだよ。西村さんなんて、いてもいなくてもいいキャラになってたじゃないか」
 「……オレ、高橋ひとみさんは好きなんだけどねえ」
 「オレも、モロ師岡さんは好きなんだけどねえ」
 これが今年初の芝居観劇だと思うと……二人でタメイキ(+_+)。

 ハイヒールブーツのせいで、しげの足がかなりヤバくなっていた。小倉駅からリバーウォークまでの15分の距離がやはり響いたのだろう。福岡のキャナルシティよりも面積としては広そうでおシャレな店も多く、劇場も映画館もあるので、いい環境なのだけれども、駅から遠いのがちょっとネックである。
 靴屋に寄って新しいブーツを買って履き換えさせると、しげ、「足がこんなに軽くなった!」と言って喜ぶ。財布も軽くなったので、私はちょっと悲しかったが(+_;)。


 帰宅して、テレビでNHK大河ドラマ『義経』の第一回。
 デキゴトの結構はもう決まっているのだから、後はドラマとしてどう膨らませるのか、歴史の隙間にいかに作者の想像を加えていくか、そこが大河ドラマの面白さなのだが(だから前回の『新選組!』は「史実を歪め過ぎ」と批判はあったけれども、面白い部類だったとは思う)、一回目を見た限りでは、どうもノリがよくない。

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01月09日(日)
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