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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■キネ旬ベストテン発表/『3年B組金八先生 新春スペシャル』ほか
4.「オアシス」("Oasis",イ・チャンドン監督)
5.「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」("The Lord of the Rings: The Return of the King",ピーター・ジャクソン監督) ○
6.「オールド・ボーイ」("Oldboy",パク・チャンウク監督)
7.「モーターサイクル・ダイアリーズ」("The Motorcycle Diaries",ヴァルテル・サレス監督)
8.「シービスケット」("Seabiscuit",ゲイリー・ロス監督)
9.「春夏秋冬そして春」("Spring, Summer, Fall, Winter... and Spring",キム・キドク監督)
10.「ビッグ・フィッシュ」("Big Fish",ティム・バートン監督) ○
【個人賞】
■監督賞 崔洋一 (「血と骨」)
■脚本賞 崔洋一、鄭義信 (「血と骨」)
■主演女優賞 宮沢りえ(「父と暮せば」)
■主演男優賞 ビートたけし(「血と骨」)
■助演女優賞 YOU(「誰も知らない」)
■助演男優賞 オダギリジョー(「血と骨」)
■新人女優賞 土屋アンナ(「下妻物語」)
■新人男優賞 柳楽優弥(「誰も知らない」)
■ 外国映画監督賞 クリント・イーストウッド(「ミスティック・リバー」)

 日本映画は『誰も知らない』『父と暮せば』『下妻物語』『血と骨』の4本の争いといった印象で、そのうち『誰も知らない』1本しか見ていない現状では、このベストテンにどれだけ妥当性があるのか批判のしようもないのだが、予告編を見て好きになれそうにないと判断した『血と骨』を除けば、あとの2本を見損なってしまったのは痛恨の極みである。2本ともしげを何度となく誘ったのだけれども、全然興味を示してくれなかった。しげの映画に対するアンテナの感度がいかに悪いか、そのおかげでこれまでにもたくさんの名作を見逃すことも多くて、毎年悩まされているのである。だいたい仮にも「演劇人」を名乗っていながら井上ひさしの『父と暮せば』を見逃すというのは大馬鹿である。舞台版だってあいつは見ようとしなかったのだからなあ。
 先日の日記にも書いたことだが、悲しいことに一般人がどんなに頑張って映画を見に行っても、年間80本から100本程度が限界である。これでは到底ベストテンなんて選べるものではない。けれど、『キネ旬』の評論家たちにしたところで、せいぜい200本から300本程度しか映画を見てはいないと白状しているのだから、実はこのベストテンにだってたいした意味はないのだ。文化庁メディア部門のアニメーション賞を受賞した『マインドゲーム』がベストテンにも入ってないことを考えても、相変わらず『キネ旬』の選考委員の大半がアニメーションに対して偏見を持っていることが明白である。プロを僭称するエセ評論家の投票の集計に、あまり過大な価値を求めちゃいけないだろう。
 『誰も知らない』がカンヌで主演男優賞を取っていなかったら多分ベストワンになることはなかっただろうし、洋画で『ミスティック・リバー』がベストワンになったのは、アカデミー賞が『ロード・オブ・ザ・リング』一色になってしまったことに対する反発があったろうと推察される。所詮、ヒョーロンカの選ぶベストテンなんて、誰ぞの顔色を伺いながらの政治的産物に過ぎない。
 そんなのに比べれば、他人の批評なんぞ気にせずに選んだ自分のベストテンの方がまだしも訴える力があるように思えるのだが、だからと言って、例えば『盲獣VS一寸法師』を万人に勧める気はないので、そこは勘違いなさらぬよう(^_^;)。

01月07日(金)
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