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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■相変わらずの正月/映画『0011ナポレオン・ソロ/罠を張れ』ほか
 ご承知の方も多かろうが、このナポレオン・ソロというキャラクターのクリエートには、本家スパイもの『OO7』シリーズの原作者イアン・フレミングも一枚噛んでいる。なんとなく展開が原作版『私を愛したスパイ』に似ているのは、そのあたり、関係があるのかもしれない(『ナポレオン・ソロ2』には、2代目ボンド、ジョージ・レイゼンビーもゲスト出演している)。
 2作目以降については感想書いてたらキリないので省略。ゲストに私の好きなモーリス・エヴァンス(『奥様は魔女』のサマンサのパパ!)や、シリアス役者時代のレスリー・ニールセンとか出てて、そのあたりをチェックしていくだけでも楽しい。『OO7は二度死ぬ』のミスター・オオサト(シマダ・テル)がスケベな首相役で出てたのには笑った。


 2時からは日本映画専門チャンネルで『名もなく貧しく美しく』『父と子 続・名もなく貧しく美しく』。続編を見るのは初めてだったけれども、いやはや、すっげえショック受けちゃいましたよ。
 1作目は小林桂樹と高峰秀子の聾唖者同士の夫婦が戦後の貧乏と社会の差別に対して健気に戦って行くというヒューマンな物語で、ラストは高峰秀子が交通事故で死んでしまうというお涙頂戴な展開で締めくくられている。それが、続編になると、主役は二人の間にできた息子・北大路欣也(こちらは健常者)に移って、彼の縁談が物語の中心に据えられる。親が聾唖者であるということで差別を受けて、息子はなかなか結婚できないのだが、聾唖者の娘・内藤洋子との結婚がようやくまとまりかける。ところが彼女にはやはり聾唖者の恋人・田村亮がいた。ここで小林桂樹は、息子の結婚を成立させるために、亮と洋子の二人に「聾唖者同士の結婚は必ず聾唖者を生む」と嘘を吹きこむのだ。亮と洋子は絶望して自殺を図る。すんでのところで命は助かるのだが、怒った欣也は父親を殺そうとする。そのときの欣也のセリフがすごい。「あなたは五十年間、本当は人間を憎んで来たんだ! その醜い顔! それがあなたの本当の顔だ!」
 ……えーっと、これ、『名もなく貧しく“美しく”』じゃなかったのかなー(^_^;)。なんつーか、2作目で1作目のコンセプトを全否定するってのもスゴ過ぎる。でも、人間の現実ってこういうもんなんだよね。差別を受けた人間が心の痛みを知って、差別をしなくなるとは限らない。逆に他者を恨み、自己保身に走り、より差別的な行動を取ることだってある。この二作、決して正編だけを見て評価しちゃなんないだろう。ある意味、「大破綻」な映画なんだが。


 7時半から、NHK総合で『大化の改新』。
 NHKの古代史ドラマで、脚本が池端俊策で、何か期待できるわけではなかったけれども、飛鳥人がショルダーバッグで学校通ってるって、今じゃ許せる範疇なのかよ。
 いやまあ、あまりに昔過ぎて、当時の風俗、言語でドラマが作れないのは分かっちゃいるけどさ、登場人物たちの「大国“唐”には大義がない」とか、妙にイラク戦争に重ね合わせたような言動とか、蘇我入鹿の暗殺劇を殆ど無批判に礼賛して天皇中心の律令政治が平和国家の礎になったような結末とか、なんか脚本家の政治的意図が透けて見えちゃうもので、どうにも胡散臭くて楽しめない。物語は入鹿を殺したところで終わってるけど、史実ではそのあと中大兄と鎌足は、仲間だった倉山田石川麻呂も殺してるのだ。権謀術数な歴史はずっと続いてるんである。

 あとはカートゥーンネットワークで『魔探偵ロキ』と『LAST EXILE』の第1話。DVD『みんなのうた 笑顔』と、映画・アニメ三昧の一日でした。休日はいつもか。

01月03日(月)
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