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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■お客が来ても樽の中。
小一時間も働かないうちに気力が尽きて居間で布団にくるまりだしたから、こりゃどうせほかのところには手は回っていないだろうな、と思ってトイレを覗いてみたら案の定であった。ペーパーの芯は散乱しているし、便器の中は具体的に描写したくもない。
「トイレくらい掃除しろよ!」と寝かけたしげを叩き起こしてむりやりもうひと仕事させた。しかし、風呂場までは結局片付けられないままだった。
夕方、下村嬢が来て、「ごめん、風呂は使えないんだ」と告げたら、「そう思って、ちゃんと入って来ました」と言う。こういう気遣いを客にさせるのは全く申し訳なくて、顔から火が出る思いなのだが、胃に穴が空く状況になっている現在、私にはもうしげをフォローする元気も体力もない。勘弁して頂くしかないのである。
しげと下村嬢と、リンガーハットで食事。
しげ、「海鮮かきちゃんぽん」を注文するが、牡蠣を嫌って私のスナックちゃんぽんの上に乗せてくる。しかも食いきれずに残りを私に寄越すのである。だったらどうして最初から「スナックちゃんぽん」を頼まないかな(-_-;)。
食事のあと、3人でカラオケに行こう、という話になる。先日、下村嬢が劇団の掲示板の方に「カラオケ行きたい」旨、書き込んでいたことがあったので、それを思いだしたのである。カトウ君もからだが空いているなら誘おう、ということで、しげと下村嬢、カトウ君にメールを打つ。その返事が、「いやあ、そんなにみんなボクの歌が聞きたいのかい?」という熱気バサラみたいな内容だったので、下村嬢、「なんでコイツ、こんなに自意識過剰なの!?」と激怒する。
確かに言葉だけを見れば「ボクってモテモテさん?」みたいな自意識過剰な態度に見えなくもないが、カトウ君だって気がある相手に対してならこういう返事は寄越さないはずである。だとすれば逆にこの冗談は間接的に「あなたには何の気もありませんからね」と主張していることになるわけである。もちろん、実際に下村嬢に対してカトウ君が全く気がないことはハッキリしているのだから、実に正直な態度ではあるのだが、女性に対して正直過ぎるというのもそれはそれでムズカシイ問題を孕んではいるのである。かと言って、八方美人的な態度を取ったり、いかにも気がありそうな素振りを見せるのはもっと問題をこじらせることにもなりかねない。じゃあどうすりゃいいのかということであるが、男女の間柄は友人どうしだろうが恋人どうしだろうが、何をどうやったってこじれるしかないのだから、悩むだけムダなんだな(^O^)。
結局、カラオケには3人で。
いつもアニソンばかり歌っているので、今日はあえてアニソンを外して選曲するが、そうすると私の知ってる曲は70年代でストップしてしまう。具体的には沢田研二の『危険なふたり』とか、いしだあゆみの『ブルーライト・ヨコハマ』とかになっちゃうのだ。こういうのを小学校の帰り道で口ずさんでたんだから、なんかヤなガキだったのだな、私は。下村嬢、「アニソン歌わないんですか?」と不満そうだったので、それじゃあ、ということで『ケ・セラ・セラ』を歌う。これだって立派にアニソンだからな。
下村嬢は『美しさは罪』を歌ってほしかったみたいだが、それ、もうなん度も歌ったし。あまり同じ歌ばかり歌うと、しげがいやがるんで、仕方がないのである。
帰宅して、カトウ君に「もう帰ってきたから、今からウチに来ていいよ」とメールを打たせる。そしたら「今までどこかに出かけてたんですか?」と返事。下村嬢、「こいつ、自分が来ないとカラオケには出かけないと思ってたのかよ!?」とますます激怒する。
さて、カトウ君がそこまで思い上がっていたとは思いにくいし、ただ単にボケてただけじゃないかとは思うのだが、ともあれ、下村嬢の中におけるカトウ君の株は著しく下落してしまったようである。それはそれでまあ、別の問題は起きずにすみそうだから、安心できる面はあるのだが。
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11月27日(土)
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