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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■みんなみうらじゅんが大好き/DVD『マダムと泥棒』/『トップをねらえ2!』1巻
 もちろん、「教授」役のアレック・ギネスの怪演は必見。思うにあの不気味なメイク、多分にドラキュラかノスフェラトゥを意識してるんじゃないかな。いや、そのメイクを見て「アッ!」と思ったのだが、これ、『空飛ぶモンティ・パイソン』のオープニング・アニメに登場する三白眼のおっさんなのだ! 念のため、スチールで確認してみたけれど、ほぼ間違いないと思う。本編アニメでもちょくちょく登場しては切られたり踏まれたりしてるんだけど、テリー・ギリアム、ギネス御大をこんな風におちょくっていたとは今更ながらその度胸には感服である。まあ、これは余談。

 DVD『トップをねらえ2!』1巻。
 これまでのガイナックスが培ってきたノウハウを全てこの一作に叩き込んだって印象。ガイナファンでなくても、いや、SFファンならばこの一本を見逃しちゃなんねえ、と断言したってかまわないくらいの快作だった。なんとなれば「SF」というのは常識の反転、既成概念の破壊、永遠のアンチテーゼをもって世界を再構築する面白さにこそその真価があるからである。……いやね、「萌え」ってキーワードがSF作品のタームとして機能するとは思いもよりませんでしたよ。って、そこに一番「SFマインド」を感じたんかい(^_^;)。ノノは当然、「回顧趣味」でこの「萌え」って単語を使ってるんだろうなあ。
 もちろん、オタク向けのエンタテインメントを作らせたら右に出るもののないガイナ作品であるから、SFファンでなくても楽しめる要素はテンコ盛りである。“お姉さま”ラルクがチビで短髪でソバカスの黒人とはなかなか意表を突いているが、これがまたノノと対比してちゃんと“お姉さま”に見えてくるから、前作の設定を踏襲しつつも裏切る部分もあり、しかしそれが決して的を外しているわけではなく、実にツボを押さえているのである。言わば、「心地よい裏切り」。ラスト10分のスタンピード、もはや呆気に取られるしかない「宇宙空間での“生身の”イナズマキック」のショックと来たら、何をか言わんやの大歓喜である。
 ……つて、でもやっぱりこういうのを喜んじゃうのって、オタクだってことなんだろうなあ。


 歌手の本田美奈子が実は改名していた、というニュース。
 今は「本田美奈子.」になってるんだって。
 「え? どこが改名してるの?」と首を傾げた人は、「子」の後ろをよーく見ましょう。ほら、小さく「.」(ドット)が付いてるでしょ?
 ご本人の弁によれば、「ドットを付けると画数が31画になり、開運のために変えました。いつでも歌手として人として女性として輝いていたいのでドットを付けました」ということらしい。なんだ、やっぱり占いか、とちょっとガッカリした人も多かろう。特にアイドル時代の本田美奈子を知ってる人にとっては。当時、プロダクションの言い付け通りに歌い踊るだけの“お人形さん”ばかりだったアイドル界にあって、自己主張のできるタイプに見られていた本田美奈子にはちょっとカリスマ的な人気があったのである。だから今の彼女が。単純に「迷信に引っかかりやすい女」というだけでなく、自分の意志、判断を放棄したような“他力本願的なもの”に引っかかってしまうとは、幻滅以外のなにものでもないのである
 名前そのものを変えるのはよく聞く話であるが、テンやらマルやら、「記号」を付けるってのはあまり例がない。やはりフツーの感覚の持ち主ではないのかなあ、とちょっと腰が引けてしまう。
 過去の例を考えてみても、パッと思いつくのは大友柳太朗が「友」に「、」を付けて「大友`柳太郎」にしたり、藤岡弘が「流されないで立ち止まって自分を見つめる、という覚悟と『いまだ完成せず』の意味も込めて」と「藤岡弘、」にしたりと、これくらいしか思いつくものがない(「モーニング娘。」は最初からマルが付いてたから例に挙げない)。あと、それに近い例と言えば「石森章太郎→石ノ森章太郎」くらいか。石森さんはともかく、大友さんも藤岡さんも、発音自体は変わってないので、改名した事実に全く気付いていない人も多く、何のための改名だかよく分からないきらいがある。本田美奈子の改名も、あまり浸透しないんじゃなかろうか。新聞、雑誌の記事やパンフレットなど、印刷物ではしょっちゅう忘れられると思うんだがなあ。

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11月26日(金)
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