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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■アナリストたちの誤算/『毎日かあさん カニ母編』
しげが「給料入ったら親子丼ね?」と言うが、こないだまでは給料入ったら「肉肉肉」とうるさかったのだが、親子丼なら安上がりで重宝する。しげが二食分食ったって、300円くらいしかかからないもんな。
映画『ホーム・アローン』シリーズに主演した元名子役のマコーレー・カルキンが、17日に、規制薬物とマリフアナ所持の疑いでアメリカ・オクラホマ州の警察に逮捕。
莫大な出演料を巡っての両親の確執、離婚とか、本人の17歳での結婚、破局とか、まあ、これまで散々アメリカの子役が辿ってきたスキャンダルの歴史を、見事になぞってきたカルキン君だったけれども、その期待に答えるようにクスリに手を出しちゃいました。あとは服役後の自伝執筆と来るかな。
それこそ散々言われ尽くしている「子役の大成は難しい」だけれども、本当は全然難しくないのである。大成する前に引退すりゃいいんだから。5歳やそこらで「将来は役者になりたい」という大志を抱く子どもというのもそう多くはなかろうから、子どもが映画に出演するというのにはやはり何らかの形で親が関与しているわけで、単に子供時代の思い出として学芸界のお遊戯感覚で演技をさせたいのか、それとも本気で演技者の道を歩ませたいのか、そこで子役の運命ははっきり分かれてしまうと言える。なんかカルキン君の場合は前者で出発してヘタに大金が親のフトコロに入っちゃったんで、トチ狂っちゃったって感じがしてならないね。
子どもが主人公の映画がヒットすれば、雑誌の見出しにすぐ「天才子役」の文字が踊るけれども、本当に子供の頃から内面の表現としての演技力を評価できるような子役なんてのはそんなにいるもんじゃない。たとえ子どもであっても、「どう、ボクってお芝居うまいでしょ?」って感じの「鼻につく」演技をする子は、かわいらしさで一時的な人気は得るものの、じきに化けの皮が剥げる。カルキン君に関しては、やはり子役時代のイライジャ・“フロド・バギンス”・ウッドと共演した『危険な遊び』でかなり“臭く”なっていたので、ちょっと心配してはいたのだが、案の定じきに失速した。現代版「魔少年」という役どころで、親としては『ホーム・アローン』のイメージを払拭しようとあえてスキャンダラスな役に挑ませたのだろうが、当時は「あんなヒドイ役をやらせるなんて!」という批判の声の方が強かった。イライジャ・ウッドとの明暗の差は明らかで、親が欲をかいて失敗したというお定まりのパターンである。
『E.T.』のヘンリー・トーマスもスキャンダルこそないものの、役柄に恵まれず(『サイコ4』ではなんと若き日のノーマン・ベイツ!……だもんねえ)、地味な脇役になっていった。『シックス・センス』のハーレイ・ジョエル・オスメントが、『A.I.』の興行的失敗にも関わらず“まだ”失速していないのは、イメージを裏切るような役を演じていないからだろう。『ウォルター少年と、夏の休日』以降の活躍も期待されるところで、子役の生き残りにいかに役の性質が深く関与しているかが分かる。『ダウンタウン物語』『タクシー・ドライバー』のジョディ・フォスターや、『アダムス・ファミリー』のクリスティーナ・リッチとかは、もともとヨゴレ役が多かったからもう何を演じても平気、という感じで見事に生き残っている。女の子の場合はかなり真剣な演技を要求される例が多いので、生き残りやすいという面はあるのだろう。なんせあのドリュー・バリモアですら復活できたのだ。ダヴェイ・チェイスもダコタ・ファニングも、多分大丈夫だ。
カルキン君の場合、『ホーム・アローン』というその後の“期待される”役柄のイメージを強く持ち過ぎてしまったのが敗因だったのだなあと思う。もう24歳だが、今の写真を見てもただのとっぽい兄ちゃんにしか見えず、今後浮上することはかなり難しかろう。もうムリに役者するんじゃなくて、転職した方がまだ傷は少なくてすむよ、きっと。なんせオトナになって人殺しまでしちゃった子役だっているものなあ。
ここんとこあちこちで話題になっている野村総合研究所(NRI)の「国内のマニア消費者(オタク)主要4分野(アニメ・アイドル・コミック・ゲーム)の市場規模は約2600億円」報告。
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09月18日(土)
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