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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■見てない映画は☆の数。
『キネマ旬報』8月下旬号で、時代劇、ラブストーリー、アニメーションなど、ジャンル別のオールタイムベストテンを投票、発表している。
五、六十人の批評家に順不同で十作、候補を提出してもらって集計しているのだが、いつも思うのだけれど、こういう場合、たとえ集計が大変であっても、一人50作くらいは出させないと、ベストの意味はないんじゃないか。たとえジャンル別に絞ったところで、たった10本じゃ、指の間からポロポロ落ちていくように、名作、傑作の数々が評価されないまま抜け落ちて行くのである。
結果は以下の通り。
〔時代劇〕
1、七人の侍 26票
2、十三人の刺客 23票
3、座頭市物語 19票
宮本武蔵〔五部作〕(内田吐夢版) 19票
5、東海道四谷怪談 17票
用心棒 17票
7、人情紙風船 16票
幕末太陽傅 16票
9、薄桜記 15票
10、丹下左膳餘話 百萬兩の壺 14票
〔ラブストーリー/外国映画〕
1、ローマの休日 18票
2、男と女 11票
3、アパートの鍵貸します 8票
4、シェルブールの雨傘 7票
隣の女 7票
6、愛の嵐 6票
逢びき 6票
イングリッシュ・ペイシェント 6票
恋人たち 6票
昼下がりの情事 6票
旅情 6票
〔アニメーション〕
1、ルパン三世 カリオストロの城 21票
2、となりのトトロ 18票
ファンタジア 18票
4、風の谷のナウシカ 17票
5、白雪姫 15票
6、AKIRA 14票
7、映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 13票
8、千と千尋の神隠し 10票
長靴をはいた猫 10票
10、太陽の王子 ホルスの大冒険 9票
トイ・ストーリー 9票
モンスターズ・インク 9票
やぶにらみの暴君 9票
なんだこの偏り方は、とお怒りになる映画ファンも多かろうが、ベストテンなんてこんなものである。『七人の侍』にしたところで、選者のうち半分もベストテンの中に入れてはいないわけで(私だって、「時代劇」ジャンルと絞られたら、ベストテンに入れるのには躊躇する)、結局は各々の選者の偏りを「均した」ものでしかない。
そんなことは昔から言われていることで、「ベストテンなんて意味がない」とは誰しも口にしながら、それでも時折思い出したかのようにこういうベストテンが試みられるといのは、やはりそれ以外に一般人の興味を引く「映画ガイド」、あるいは「マニュアル」が少ないからで(「映画の歴史」とか「研究書」などはあまり読まれない)、こういうところで埋もれがちな「名作」に若い人の目を行かせる効果もあるからだろう。
でもねえ、批評家と言ったってさ、案外映画見てないし、映画のこと知らないって人も多いしね、さすがにそういう人にベストテン出させるのはどうかって思うけどな。正直に「あまり見てませんが」と断り書き入れてる人には苦笑しちゃうけど。けどねえ、「アニメーション」で『忍者武芸帳』(大島渚)や『新選組』(市川崑)に票を入れてる人までいるからなあ。あれ、マンガを撮影しただけで、アニメーションじゃないってば(まあ本人たちもコメントで「迷って入れた」と書いてたが)。
まあしかし、あまり人のことは言えない。
「時代劇」「アニメーション」については、候補に上がった百本以上の作品の大半を見てはいたのだけれど、「ラブストーリー」に関しては、二割もない。趣味に偏りがあるのは当然としても、ちょっとこれはいくらなんでもねえ。普通「映画ファン」を名乗るなら、「恋愛モノ」をこそ見ずにどうするか、ということなのだけれど、なんか他人が「惚れたの腫れたの」やってんの見ててても共感せんのよ。タイトルに「愛」って付くだけで敬遠したくなるし。
だから私は、『イングリッシュ・ペイシェント』も『逢びき』も『ベティ・ブルー』も『ノッティングヒルの恋人』も『忘れじの面影』も『麗しのサブリナ』も『ブーベの恋人』も見てません(^_^;)。嫌いなんじゃなくて苦手なだけで、これらの作品が見るに値しないと考えているわけではないので、そこんとこ、勘違いしないように。
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08月18日(水)
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