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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■やっぱり出たよ、トンチンカンさん。
 それでも我々は、自らの悪を裁かないわけにはいかない。私が現実的には不可能だとしても、加害者の少女を処断したほうがいい、と考えるのは、彼女を異常者として排斥するためではなく、誰の心にもある「闇」を処断し、自らを律する道を選ばなければならないと考えるからである。単なる「排斥」が目的ならば、それは結局自分の「闇」を甘やかし、餌をやり、ムダに太らせていくことにしかならない。たとえ更生の道が犯人女子に残されていたとしても、彼女は批判はされてしかるべきである。しかしその批判は、自らもまた、処断されるべきものを抱えて生きているという自覚を持った上でのものでなければ、批判としての意味を持ちえないだろう。

 テレビでも、ようやく加害者、被害者双方のホームページの映像が紹介されるようになった。それが全部ではないにしても、御手洗怜美ちゃんの「なんでアバターがなくなったりしてんの」「どうせアノ人がやってるんだろ」(加害者女子が被害者のホームページを「荒らし」ていたのである)とかいう記述、この程度で怒るのはやっぱヘンだわ、としか言えない内容である。もっとも報道はアテにならないから、これ以前に相当ヒドイやりとりがあったのかもしれない。
 加害者女子は、HPの日記に「うぜークラス つーか私のいるクラスうざってー」「エロいこと考えて弁当に鼻血たらしたり」「愚民」とか書いていたり、事件の十日ほど前の5月下旬にも、教室内で夢中になって本を読んでいたとき、横を通った男子にのぞき込まれて、いきなりカッターナイフを握った手を振り上げたりもしていたそうだ。この加害者女子、やっぱりかなりテンパってた精神状態にあったんじゃないか。今は普通に見えていても、一応、精神鑑定はしたほうがよかろうと思うけれどもねえ。

 こういった事件が起きると、事件そのものだけでなく、それが巻き起こした波紋のほうが滑稽で、馬鹿馬鹿しい展開を見せることがあるのは常ではあるが、井上喜一防災担当相の閣議後の記者会見の発言がまた、ぶっ飛んでいて、今さらながら、「大臣なんて、誰でもなれるんだなあ」と思わせることしきりである。
 「従来の考え方をある意味で覆す。これまで男がむちゃやってなにかしでかすことはあったかもしれないが、女がやったというのは初めてではないか。最近は男女の差がなくなってきた。元気な女性が多くなってきた、総じてどの社会も」
 どこからどう突っ込んだらいいか、わかんないくらいだねえ(~_~;)。
 「従来の考え方」って、具体的にどういうことを言いたいの? 「女がやったというのは初めて」「男女の差がなくなった」ということから想像すると、「女は男の下で従順だったから、好き勝手できなかった」ということなのかな? だとしたら、アナクロにしても百年くらい古い「従来」だなあって気がするが。それとも「女の犯罪はこれまでになかった」と言いたいのか? もちろん、女性の犯罪なんて腐るほどあるんで、どう解釈したらいいんだか、全然わからないのよ。
 で、極めつけが犯罪を「元気」って言うかよ、ということなんだけれども、コトバが不自由なのは、もう現代ニッポンにおいては老若男女を問わずであるから、これも大臣が「元気」である証拠だってことで、ま、いいんじゃないですか?

 もう一つの「お笑い」は、またしてもテレビ放送等の「自粛」騒動である。
 NHKは、『中学生日記〜私たちの名前はどの辞書にも載ってない』の5日の再放送を自粛。男子生徒がカッターナイフで自分の腕を傷つけようとする場面が出てくるためだって。
 フジテレビは、4日午後9時からの2時間ドラマ『結婚相談員 末永卯月の推理案内状<5>』の放送を、「刃物を犯行に使用する場面があるため」という理由で中止。
 TBSは、関東地区での5日午後3時30分からの2時間ドラマ『ざこ検事・潮貞志の事件簿』の再放送を別番組に差し替え。
 ……刃物使ったサスペンスものを全部差し替えていくんじゃ、放送する作品、すぐに底をついちゃうんじゃないか?(^_^;) 放送局のみなさん、事件を楽しんでるよねえ。


 週末だけど、今日も残業。いつものように、トンガリさんの苦情を「ハイハイ」と受け流していたら、トバッチリが秘書に来た。

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06月04日(金)
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