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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■神経科に行こう!&デジモン新作
キャナルシティで映画『ビッグフィッシュ』。こないだ見た芝居『バナナがすきな人』も息子にウソ話ばかりついてる父さんの話で、父と子の断絶とその関係の回復の物語だったけれども、これもコンセプトは同じ。こちらは映画だけによりファンタジックだったが、『バナナ』よりもずっとウェルメイドだったので驚いた。近藤芳正さんの方がティム・バートンよりもずっと「乾いた」人だったんだなあ、と比較ができるのが面白い。これもまたカミサマを頂くクニの人と、そうでないクニの人間との違いであろうか。
昨年で「東映アニメフェア」が終わってしまって、劇場アニメを単発公開しかしなくなってしまった東映動画(「東映アニメーション」と社名が変わっても、やはりこう言いたいのである)だが、次の新作が完全フルCGの『DIGITAL MONSTER X-evolution(仮)(デジタルモンスター ゼヴォリューション[X進化])』になったそうである。デジモンの映画シリーズ自体は子供ダマシの手抜きのない、濃密かつメリハリの効いた演出で、「東映動画健在なり」を感じさせてくれて新作が楽しみなくらいだったのだが、どうしても『ワンピース』や『どれみ』とかの添え物イメージが抜けず、損をしていたと思う。だからこうして一本立ちした形で新作が作られることは嬉しいのだが、よりによって“フルCG“〜?
ハッキリ言っちゃうが、CGはもう確実に一つのカベにぶつかってると思うのである。ドリームワークスの『シュレック』もパート4までのシリーズ化が決定されたと言うが、ホントにそんなことしていいのか、と疑問に思う。あそこに出てくるキャラクターの中で、最も動きが不自然で魅力に乏しかったのが「人間」であるフィオナ姫だった。CGでは「人間」は描けないのだ。ピクサーの『トイ・ストーリー』の時にもそのことは感じていたのだが、あれからCGは殆ど進歩していない。一時期の日進月歩がまるでウソのように、この5、6年は停滞している。結局、これまでのCGはカリカチュアされたキャラクターしか描けていないし、これからそれを越える映像を作ろうと本気で考えているスタッフも少ないように思う。
『デジモン』シリーズは、部分的にCGは使っていても、あくまでセルアニメーションとして評価されてきた作品である。デジタルだからデジモン、という発想は短絡的なだけじゃないだろうか。しかも、そのCGアニメーションの制作を担当するのは、香港のCG制作会社『Imagi International Holdings Limited』なのである。……なんだ、外注どころか、日本アニメってわけじゃないのね。東映動画がますます自分の首を締めるようなことにならなきゃいいんだけれど。
監督はTV版『デジモンアドベンチャー』『デジモンアドベンチャー02』のシリーズディレクター、角銅博之。脚本は平成『ガメラ』3部作や、『機動警察パトレイバー』『攻殻機動隊』の伊藤和典と、『エアマスター』の川崎美羽の二人。実力のある方たちだから、つまらないものになりはしないとは思うけれど。
05月28日(金)
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