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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■入院日記16/白昼の驚愕
 一言言えば突っかかってくるばかりで、どうにも話にならない。完璧に寝惚けているのだが、当人は寝惚けている自覚がないから困ったものである。しげは最近ずっと睡眠薬を飲んで寝ているので、5、6時間寝た程度では、薬が抜けきらない。かと言って飲まないでいると寝つけないから、全く痛し痒しである。一緒にトランキライザーも飲んでおいてほしいものだ。

 病院に来ても、しげの機嫌、まだ治っていない。悪態ばかりついていて、しつこいったらない。顔を見ると目の下にはっきりわかるクマがあって、顔色も悪いし出来の悪いゾンビみたいである。
 ともかく寝惚けてて空腹だから機嫌が悪いのだと思い、外出許可をもらって外に連れ出す。テレビの某番組で有名になったというクレープ屋がデパートの前に出店を出していたので、一つ買ってやる。それを食ってるうちに、しげの機嫌、どんどんよくなっていった。ホントにわかりやすいやつである。
 二人で古本屋などを回ってお別れ。最初の剣呑な雰囲気が全くなくなっていて、しげは名残惜しげである。甘えるか嫌うか両極端で、どうして中庸ということができないかとタメイキをつく。

02月17日(火)
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