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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■追加日記2/『二十面相の娘』1巻(小原愼司)ほか
 本編が終わってスタッフロールが流れたあと、「もう一つの28日後」として、第2の結末が示される。どちらでもお好きな方を、という趣向なのだろうが、これがまた二つともありふれている。40年前にこの映画を見てたら感動したかもしれないけれど、今更これはないよなあ、としか思えない。もっとも、小学校高学年くらいの子供に見せて、トラウマを持ってもらうのにはちょうどいいかもしれない。
 ミーガン・バーンズの凛とした少女らしさが本作の一番の魅力でしょうか(^_^;)。


 帰宅して、アニメ新番『巷説百物語』第1話「小豆とぎ」を見る。
 製作は『ルパン三世』のトムス・エンタテインメント。監督は『サイレントメビウス(TV版)』『ルパン三世 1$マネーウォーズ』『同 アルカトラズコネクション』の殿勝秀樹氏。期待していいのかどうか、見る前から微妙なセンだね(^_^;)。

 豪雨の中、峠を越えようとしていた考物(かんがえもの)の百介は、崖から滑り落ちそうになったところを一人の御行(おんぎょう)、又市に命を助けられる。その異形な風体に惹かれた百介は、又市のあとを追うが、更に強くなる雨足の中、その姿を見失ってしまう。
 百介は同じく道に迷っている僧、円海と連れになり、「備中屋」という看板を掲げた屋敷で雨宿りをする。そこには又市や、妖艶な女・おぎん、徳右衛門と名乗る商人が居合わせていた。徳右衛門は夜明かしのすさびにと、「備中屋」の因縁話、十年前に殺された丁稚が妖怪「小豆洗い」として化けて出る顛末を語り始めるが、百介は、話が進むに連れて円海の表情が次第に硬くなり、額にびっしりと汗が浮かび始めているのに気付いた……。

 原作は短編だけれども、まともに映像化すれば1時間はかかるものなので、30分に収めるのには到底ムリがある。しかも、原作ではあまり出番のなかった山岡百介を前面に出してきたものだから、本来の主役である円海の描写が浅くなり、ミステリーとしての要素が随分薄くなってしまったのは残念に思う。
 宮繁之氏によるキャラクターデザインは、心配していたほどに悪くはなかったが、宮野隆氏の美術がまるで江戸期の『画図百鬼夜行』などの妖怪画を彷彿とさせるほどの出来映えだったために、その上に乗せられていると、どうしても浮いて見えて、やっぱりアニメ絵だなあ、という印象を与えてしまっている。今更言っても仕方ないけれど、森野達弥さんじゃダメだったのかねえ。最初から視野に入ってなかったのか、イマドキあの水木しげる調の絵柄じゃ売れないという判断なのか、『鬼太郎』なんかとの差別化を図ったのか、そもそもアニメートする技術がトムスにはないということなのか。森野版の『巷説』アニメ版もスペシャルで一本作ってほしいと願ってるのは私だけじゃないと思う。
 又市の声は中尾隆聖氏。声作りにも力が入っていて熱演である。そのおかげでバイキンマンやフリーザを連想しこそしないのだけれど、やっぱり聞いた途端に中尾さんだとわかっちゃうのは如何ともし難い。おぎんの小林沙苗さんはまあまあってところか。


 マンガ、森永あい『山田一家ものがたり ゴージャス』(角川書店/アスカコミックスデラックス・903円)。
 超短編が五つしか収録されてない超薄型の単行本。で、なんでこの値段かって言うと、台湾でドラマ化されたDVDつきなのである。でもこのDVDの方はあまり見る気がしないんだなあ。
 マンガの方も、本編シリーズが終わって時間が随分経ってるので、誰が誰やら忘れてしまってました(^_^;)。あまり続ける意味はなかったんじゃないかって思うけどねえ。


 マンガ、小原愼司『二十面相の娘』1巻(メディアファクトリー・MFコミックス・540円)
 小原愼司って、『菫画報』の人だったんだね。気になってはいた人なんだけれど、本格的に読んだのはこれが初めて。
 正直な話、『金田一少年』やら何やら、安易な「子孫もの」には腹が立つのだけれども(『ルパン三世』だって原作ファンにしてみれば噴飯ものだろう)、これは何とちゃんと江戸川乱歩の遺族に許可を貰っているのである。実際に読んでみると、なかなか練られている。正統な続編とは言えないが、パスティーシュの一つとしては充分に好感が持てる。

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10月03日(金)
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