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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■学校が守っているものは何か/『死神探偵と幽霊学園』第1巻(斎藤岬)
 今回の事件自体は、廃墟となった旧校舎にまつわる「呪い」と、実際に起きた殺人事件、というものだけれども、前巻同様、キャラの魅力で読ませる。ミステリの探偵というものは、たいていは性格破綻者で、明智小五郎にしろ金田一耕助にしろ、事件が起これば自分の脳髄を発揮できる絶好の機会とばかりに嬉々として振舞うものだが、もうずっと「死神」扱いされている鹿神は、できるだけ事件にかかわるまいとする。この「及び腰の探偵」という設定が物語の節目節目でユーモアを醸し出す効果を上げていて、殺伐とした物語の重さを少なからず緩和している。
 ユーモアという点で言えば、鹿神の恋人(このころは未満)の金子みちるの天然ぶりとかもなかなか楽しいのだが、いくら覆面かぶってるからって、間近にいる自分の父親に気付かないというのは将来が不安にならないのかね、鹿神クン(^o^)。
 事件のオカルト性と言い、キャラクター造形には都筑道夫の物部太郎シリーズが影響を与えているんじゃないかと思われるが、鹿神はあそこまでものぐさではない。みちるを庇おうとする男気もちゃんと見せている。女性には特に受けやすい作品ではないかな。

09月06日(土)
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