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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■つらいことばかりでもないと思うけど/『江戸川乱歩全集第10巻 大暗室』(江戸川乱歩)/『人生とはなんだ 旅と恋編』(藤臣柊子)
 藤臣さんのオトモダチ? たちの恋愛ばなしがなかなか壮絶で、女房に暴力の限りを尽くされて離婚したのに、また同じ女性と再婚した話とか……。まあ常識的に考えれば「なんでやねん」ということになるのだろうが、男と女の仲ほど常識の通用しないものはない。藤臣さん自身もご本人のココロの病気がもとで、ご主人(知ってる人は知ってるが、本書では名前を明かしてないので、ここには書きません)とお別れになっているのだが、この文庫に収録されてるのは殆どが結婚前、新婚の時期のものなので、読んでて痛々しい。「いいことばっかなんて絶対ないけどふたり暮らしは幸せだよ」って、多分、離婚した今も藤臣さんのこの考え方って変わってはいないのだ。なんかなー、こういう不可効力で離婚したカップルってのは本人同士に責がないだけに慰めようがないしねー。いや、別に私ゃ慰める立場になんぞないのだが。
 男と女は、男と女ってだけでトラブルのタネを抱えてるようなものである。更に二人を結ぶカラダとココロは、時間とともに必ず変質する。身もフタもない言い方だが、カラダはお互いジイさんバアさんになるし、ココロは段々磨耗して、相手に飽きて来る。藤臣さんは「だから努力が大切」と語るが、人間、努力ほど嫌いなものはないんだよね(^_^;)。つか、恋人時代にたいていその努力のためのエネルギーは使い果たしているのだ。そうなるとあとには「夫が○○をしてくれない」「妻が○○をしてくれない」という不満が積もるばかりということになる。離婚はもう目の前だ。
 こないだよしひと嬢とも話してたんだが、「結婚すれば疲れる」ことを前提としてない夫婦ってあまりにも多過ぎるんじゃないか。つか、甘く見てる。「ダメになったら離婚すればいーやー」と最初から軽く考えてとりあえずくっついてみたってんなら離婚したって構わないだろうが、一章添い遂げようって考えてんなら、もちっとそのために何をしなきゃならんかってことを考えなきゃならんのじゃないか。
 ウチの場合に話を移すが、とりあえず10年ちょっと、我々夫婦の仲が持ってきたのは、僥倖の部分が大きいと思う。お互いの不満に対して腹を立て続けるには私はあまりに体力がないし、しげには記憶力がないのだ。マイナスとマイナスが掛け合わさってプラスになってるってのは、実に平仄が合ってるなあ(^_^;)。
 もちろん、我々夫婦の形が正しいあり方だなんて主張するつもりは毛頭ない。念を押すが、夫婦の形にスタンダードなどはないのである。恋愛論の類の本は多いけれど、「あの夫婦に比べてウチはどうして」なんて思わない方がいいと思うよ。

08月27日(水)
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