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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■恋から自由であるということ/映画『呪怨2』
 同じころ、その番組のレポーター、三浦朋香(新山千春)は自宅のマンションで、毎晩12時27分になると起こる、壁の向こうから誰かが叩いているような奇妙な音に悩まされていた。怯えた彼女は恋人の山下典孝(堀江慶)を呼ぶが……。
 更にはメイク担当の大林恵(山本恵美)を始め、番組に関わったスタッフが次々に失踪していく。京子のドラマにエキストラ出演した女子高生の千春(市川由衣)も謎の死を遂げる。ディレクターの大国圭介(葛山信吾)は事件の謎を京子とともに追い始めるが、京子の子供が生まれ落ちたとき、彼にも呪いの手は伸びていたのだった……。

 「呪いの伝播」ってのはもう怪談ものの定番だし、赤ちゃんが実は……ってのも、『ローズマリーの赤ちゃん』の方がずっと怖かったんで、ハッキリ言っちゃえば話は陳腐なんである。いや、もっと言えば、辻褄が合わずに破綻しているところも随所にある。だから、そういう点をいちいち挙げて「つまんない」と切って捨てることも可能なんだが、そう断言するには惜しいものを持ってると思うんだよね、このシリーズ。
 やはりそれはさりげなく窓の外から部屋を覗いている俊雄くんの白い顔に代表されるような「霊の見せ方」の上手さだったりする。俊雄君が「予兆(オーメン)」であり、伽椰子さんが「崩壊(カタストロフ)」を担当している役割分担も呪いを重層的にしていて面白い。これ、『四谷怪談』の呪いが宅悦とお岩に分担されてるあたりに着想のもとがあるんじゃないかな。
 何と言っても毎回呪いの俎上に何人もの美女たちを乗せ、恐怖に歪む彼女たちの顔を接写してきた点に功績の大部分を帰してもよいのではなかろうか。
 もっとも、今回主演の酒井法子は、これがあののりピーかと驚くくらいに生活臭く老けこんでしまっていて、特に眉間の皺が目立つのが痛々しい。前作の奥菜恵や伊東美咲のような「華」がないのが映画全体の印象を地味にしてしまっている。新山千春は『GMK』のときもそうだったが刮舌がひどく悪いので、喋るたびに耳障りで仕方がない。彼女のエピソードもいかにも『新耳袋』にありそうなネタで、言っちゃ悪いが怖いのと紙一重で笑ってしまう。山本恵美が霊感があるという設定で、ホントは一番「美味しい」役にならなきゃいけないと思うんだが、残念ながら御面相がもう一つなのである。
 となると頼みは前作で唯一助かってた美少女・市川由衣なんだが、たいして見せ場もなく、特に必要でもないエピソードの中であっさりとお亡くなりになってしまうのである。一番贔屓だったのになあ(+_;)。このあたりの女優の使い方に疑問が残るのも演出面での弱さだろう。

 しげ、今日も映画の間中、ビビりにビビって私の指を握り締め、ちょっと音楽が高鳴るだけで圧迫してくる。私の指が痺れてること事前に話して、もう手を握るなと言っておいたのに、完全無視である。この一点をもってしてもしげが私の健康など一顧だにしていないことは自明である。
 席も最初はよしひと嬢を間に挟んで向こう側に座っていたのに、わざわざ私の隣に移動してきて指を掴んで来たのだ。振り払っても振り払っても握ってくる。よっぽどこいつの方が伽椰子より怖い。
 何でも映画を見る前に、しげは鴉丸嬢と、「映画を見終わって、けいちん(私のことね)の腕にしげさんの手のアザがついてたらよっぽど怖いね」と笑って喋ってたそうだが、ホントに付いていたのだ。ああ、マジでシャレにならん(T∇T)。
 
 『呪怨』のパンフレット、これがまた大笑いで、昔の東宝チャンピオン祭りみたいに、双六だの福笑いだのお面だの、付録の充実したお遊び仕様。でもあなた、俊雄くんの顔で福笑いとかしたいですか。それ以前に、自分の顔が福笑いやお面にされてると知ったら、子役の尾関優哉君、グレたりしないかと心配になるんだけど。


 帰宅して、よしひと嬢にまだ見ていなかったという山村浩二の『頭山』や『WXV 機動警察パトレイバー3』を見せる。

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08月23日(土)
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