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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■マンガを舐めるな/CD『アヴェ・マリア』(本田美奈子)/『キノの旅Z』(時雨沢恵一)
 帰宅して、聞いてみてやっぱりびっくり。澄んだ、伸びのある声、ヘタなソプラノ歌手によく見られるような声を張り上げ過ぎてかえって耳障りに聞こえちゃうようなところがない。ミュージカルを経験しているだけあって、感情表現が豊かなのがなんといってもいい。なんか、ホントに歌姫って感じだね。個人的な感想だが、悦に入ってる感じがする島田歌穂よりずっと上手いんじゃないか(いや、『レ・ミゼラブル』がつまんなかったもんで)。
 どんな曲をセレクトしているか内容を以下にご紹介しておこう。

(1)流声(井上鑑)
(2)アヴェ・マリア(カッチーニ)
(3)私のお父さん〜オペラ「ジャンニ・スキッキ」より(プッチーニ)
(4)タイム・トゥー・セイ・グッバイ(サルトリ、カラントット&ピーターソン)
(5)美しい夕暮れ(ドビュッシー)
(6)ヴォカリーズ(ラフマニノフ)
(7)グリーンスリーヴス(イングランド民謡)
(8)ジュピター〜組曲「惑星」より(ホルスト)
(9)私を泣かせて下さい〜オペラ「リナルド」より(ヘンデル)
(10)シシリエンヌ(フォーレ)
(11)ニュー・シネマ・パラダイス 愛のテーマ(エンニオ・モリコーネ)
(12)タイスの瞑想曲(マスネ)
(13)アメイジング・グレイス(ニュートン)
(14)ベラノッテ〜映画「わんわん物語」より(ペギー・リー&ソニー・バーク)

 一部を除いて日本語歌詞の曲が多いが、クラシックにはシロウトな身には、日本語歌詞で歌ってくれた方が、感情表現の抑制と解放の具合がわかりやすくていい。特に、本田美奈子自身が作詞をした「タイスの瞑想曲」は本アルバム中の白眉だろう。「癒されたがりくん」なんか、これ聞いたら天にも昇る心地がするのでは(^o^)。
 チャットでヨナさん相手に「いいよ、本田美奈子は!」なんて力説してしまったから、ちょっとあきれられてるかもしれない(^_^;)。


 手塚治虫の『ブラック・ジャック』、秋田チャンピオンコミックス版は全25巻で完結してるのだが、ファンなら先刻ご承知の通り、実はまだ収録されていない短編がいくつか残っている。
 理由はまあ、どこぞよりなんたらというクレームがついたという下らんことなのだけれど(結局、その手のクレームの多さのせいで『ブラック・ジャック』は連載終了に追い込まれた。「善意の迷惑」の典型的な例である)、それを憂えたのかどうか、『植物人間』『死に神の化身』など10作品を収録した海賊版の26巻目を勝手に作って、1冊10万円で売っていた東京都内の会社員(38)が麹町署に摘発されて、3月中旬に東京地裁から著作権法違反で罰金30万円の判決を受けていたことが判明。
 表紙の写真がWeb上にあったんで見てみたんだけど、なるほど、よくできている。表紙はチャンピオンコミックスそのまま、背景にはニューヨークかどこかの写真を使ってるが、ブラック・ジャックの絵自体は手塚治虫の画集を素材にしているもののようだ。「関係者も驚くほどの完成度だった」というのは頷ける。。
 法律的にどうのといった、海賊版を作ることの是非を問うのはちょっと置いといて、この会社員の動機が何だったのかってことが気になるんだが、さて、理不尽なクレームに怒り、幻の作品と化した作品をぜひとも社会に流通させたいという道義心で行ったことなのかどうか。
 常識的な判断なら、「十万円なんて暴利を貪ってんだから、当然、ファン心理につけこんだ金儲けだろう」と判断するところだけれど、モノが『ブラック・ジャック』だからなあ。「人の興味を満たしてやってるのに、暴利を貪って何が悪い!」とか言い出しそうだなあ。言わんか。
 けど、いい加減で手塚プロも未収録作品を「幻」なんてことにしてないで、堂々と出版したらどうか。頭のイカレたクレーマーに迎合して、こんな海賊版作られることの方がよっぽど害毒だと思うがね。

 
 こないだからネットで話題になっていた「さくら出版」事件であるが、被害にあった弘兼憲史さん、ついに「まんだらけ」を提訴することになったようである。

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06月27日(金)
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