ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491704hit]

■そのうち隔離されるかな/アニメ『ユキの太陽』(宮崎駿)/『カルト王』(唐沢俊一)
 しげは昼間は寝ているので、車を呼びつけるわけにはいかない。仕方なくバスに乗って博多駅に向かうが、ウチの職場、マジで田舎にあるので、博多駅まで乗り換えて1時間かかるのである。
 病み上がりで田舎道をガタゴト揺られてたら、病状が悪化するのは当たり前であろう。紀伊國屋に着いた時には息は上がり、髪は乱れ、なんかすごいことになっていた。
 「ず、ずびばぜん、ぶ、ぶりんぜずぢゅぢゅをぐだざい」
 ……よく警察に通報されなかったものである。

 病院の診察結果、やはり喉が炎症を起こしていたらしい。
 「これから治っていきますよ」と医者が軽く言ってくれたが、ほんまやろか。
 なんか医者に行くほど病状が悪化してるような気もするんですけど。


 さて、今日はアニメオタクにはぜひとも見逃せないテレビ番組がある。
 『千と千尋の神隠し』……じゃなくて、その直前の特番で、宮崎駿の幻の監督作『ユキの太陽』のパイロットフィルムが放映されるのだ。
 宮崎駿のフィルモグラフィーにはしっかり記載されているのだが、さて、長年眼にする機会はなかった。パイロットだから、そんなに長いものは期待できないが、それでも見られるものは画面に齧りついて見る。
 紹介のところで、「宮崎監督のデビュー作は一般には『未来少年コナン』と言われていますが……」と説明してたのはちょっと舌足らず。
 名前は出していないが、『ルパン三世』の旧テレビシリーズを宮崎さんが高畑勲さんと「Aプロダクション演出グループ」の名で監督していたのは今や有名である。監督デビューという意味でなら、こちらの方が早い。ちゃんと確認しとけよなあ。
 で、『ユキの太陽』の出来である。
 原作はちばてつやであるが、内容は日本版『アルプスの少女ハイジ』といった趣。もともと孤児が明るく元気に生きるってのは、庶民派のちばさんの世界なんだけど、同じ庶民派でも宮崎さんの世界とはやはり肌合いが違う印象である。ちばさんには独特の泥臭さがあるんだけど、それが消えちゃってて、やっぱり表現にキレイゴトが混じっちゃってるのね。キャラデザインがすぐに崩れて、東映動画顔になってしまうんだけど、ちばキャラは子供でもそんな媚びた笑顔は見せねえぞ、もっとたくましいやって感じかな。
 大塚康生さんの作画監督なら、こうもナマヌルイ感じにはなってないんじゃないかと思って、スタッフリストを調べてみたけど、やっぱり大塚さんはこれには噛んでなかったみたいである。いや、ユキがちょっと「ルシファー飛び」っぽい動きしてたからね。
 大塚さんも、そういう宮崎さん的なマンガチックな動きを描くこともあるが、もともと『わんぱく王子の大蛇退治』のアクル対スサノオのようなシャープでキレのいいアクションの作画が得意なのだ。どっちかと言うと、作画的にはこれ、大塚さんが監督した方がよかった企画なんじゃないかなあ。まあ、大塚さんは根っからの職人だから、なかなか監督は引き受けなかっただろうけれど(あれだけの仕事をこなしていながら、監督作は『草原の子テングリ』と『東海道四谷怪談』の2本しかないのである)。
 もしもちばてつやのファンがこれを見たら、イメージの違いに愕然としちゃうんじゃないかなあ。もしかしてこれがパイロットフィルムだけで終わったのは、スポンサーの中にちばさんのファンがいたせいかもね(^o^)。

 続けて、『千と千尋の神隠し』も見てみたけど、どうですか、赤かったですか。私にはよくわかんなかったんですが。

 晩飯は精力をつけようと、「さかい」で肉を食う。
 ここ数日、うどんばかり食ってたから、胃の方もやや重たいモノを欲している感じだ。今日ばかりはしげの趣味に付き合う形である。


 映画監督の松田定次氏が、20日に老衰のため死去していたことが判明。享年96。
 年齢的には大往生。ていうか、死因が「老衰」っての、久々って気がする。宇野千代さんも確かそうだったような気がするが、有名人ではそれ以来じゃないかな? 

[5]続きを読む

01月24日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る