ID:10788
無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
[491704hit]
■アニメの実写企画って……/『ロケットマン』4巻(加藤元浩)/『はじめてわかる国語』(清水義範)ほか
ここまで時間が経っちゃうと、パタリロ自身は10歳のままだけれど、マンガの中の事物にはやはり時代の変化が反映してくるのである。『怪奇倩々女』に「オープンリールのテープ」が出てくるが、もう若い人は知らないのである。私が中学生のころくらいまでは、まだまだカセットテープよりもオープンリールの方が主流だったんだが。……多分、カセットテープも、もうじきなくなっちゃうんだろうなあ。
初期は随分ハードでストーリーの骨子もしっかりしてたもんだったが、ここまで来ると落ちのつけかたもなんでもありである。
『パタリロ娘』、CIAのヒューイットの久々の登場編で、女の子との付き合い方を知らないパタリロのために、タマネギたちは小間使いを募集することにする。その選定にヒューイットが呼ばれるのだが、王宮に入りこんでいたメイドは実は妖怪万年娘であった。ヒューイットはロリータ道の尊師の導きに従って、万年娘の妖術を破って倒す。
……って、これ、どういうストーリーなのよ。しかもロリータ道の尊師って……(^_^;)。
マンガ、加藤元浩『ロケットマン』4巻(講談社/KCGM・410円)。
前巻より、『トゥルー・アイズ』の情報員となった水無葉、この巻から「第2部」ってことになるわけだが、作品内容も陰謀アクションものから本格ミステリに移行したって印象。
あああ、エピソード11、12の密室トリック、昔、私も考えてたやつだ。先に使われちゃったな……って、そのトリック自体はたいしたものじゃ無いんだけど。ちょっとひねった設定にしないとモノにはならんなあ、と思ってたんだけど、こういうふうに使ったのね。なるほどなるほど。
うーん、困ったなあ。ミステリ仕立てになった途端、筋の説明もしにくくなっちゃった。けれど、『Q.E.D.』とはやはりちょっと違ったハードな設定が楽しめるシリーズではある。逆にハードな設定なせいで、葉みたいな世間知らずが情報員としてやって行けるのかって疑念が湧きはするけれど。
清水義範(え・西原理恵子)『はじめてわかる国語』(講談社・1785円)。
理科、社会科、算数、に続いて、ついに国語だ。これで完結になるのかな。サイバラさんの挿絵のラストも「いなくてもいい二人」って、清水センセとサイバラさんが無人島にいるし(^o^)。
学生時代、国語が嫌いだった人で、清水さんの『国語入試問題必勝法』を読んで溜飲が下がったって人、多いんじゃないか。
何たって、あの四択とか五択とか、ヒドイのになると七択、八択なんていう選択肢問題、見てるうちに「どれだっていいじゃん、長い文章のごく一部を読み間違えてたって、たいした影響があるか」って気になったこと、ありませんか。清水さんも書かれてたが、あれは「出題者の意図を読み取れるかどうか」で点が取れちゃうんであって、文章読解力とは何の関係もないのだ。
選択問題の実例がいかに適当なものかってのを紹介してくれて、「ああ、オレが間違えたのはバカだったからじゃないんだなあ」と安心させてくれたのである。
で、今回も清水さんは「国語入試問題必“敗”法」と題して、いくつかの「なにこれ?」って感じの問題を紹介されている。先に言っとくが、正解しても威張れる問題ではないし、間違ったからって恥じる問題じゃないよ。
問 次の@〜Eの文の中で、事実を述べている文には○、意見や感想を述べている文には×をつけなさい。
@ わたしたちの住む地球は、みどりの植物で覆われ、美しい花が咲き乱れているすばらしい星です。(A〜Eまでは略)
さて、清水さんはこれに「×」をつけた。私も同意見だ。
清水さんは「サウジアラビアの砂漠はどうなる」とユーモアエッセイなのでわざとツッコミを入れているが、まあ、そういうところで揚げ足を取らなくても、「美しい」「すばらしい」という形容詞は感覚を表したものである。どう考えても「×」だと思うんだけど、これが正解は「○」なんだよね。
なんでそうなるかというのを清水さんは推理するのだが、つまり「すばらしい」と論考するための前提となる「事実」が書かれているから、ということなんだそうな。
[5]続きを読む
01月23日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る