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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■役者が名前を出すということ/DVD『You Are The Top 〜今宵の君〜』/『一番湯のカナタ』3巻(完結/椎名高志)ほか
田中さん一番の善玉役は、何と言っても映画版エルキュール・ポアロの吹替えであろう。『オリエント急行殺人事件』でポアロを演じたのはアルバート・フィニーであったが、『ナイル殺人事件』のときにはフィニーが降りたので、ピーター・ユスティノフに代変わりしていた。けれどテレビの吹替えのときにはそのまま田中さんが引き継いでくれたので、少しはイメージのギャップが埋められた気がしたものである。田中さんはちょっと舌が絡むところがあるので、それがかえってベルギー人・ポアロの雰囲気を出していて(まあ日本語なんだけど。「モナ〜ミ!」って感じね)、実はデヴィッド・スーシェの熊倉一雄より好きだった。田中さんはこのあと、『地中海殺人事件』『死海殺人事件』と、都合四本の作品でポアロを演じている。
ユスティノフは更に『エッジウェア卿殺人事件』『死者のあやまち』『三幕の殺人』とテレビムービーでポアロを演じているが、私は字幕版しか見ていないので、吹替版があるかどうか、声をアテているのが田中さんかどうかは確認していない。もしあるのなら、それも見てみたいのだが。
えーっと、私、あまり感心なかったんで見てなかったんですけど、NHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』の5日分第1話に、黒澤明監督の『七人の侍』そっくりのシーンがあったそうですね。具体的には「ほかの侍と協力して野武士から屋敷の一家を守るシーン」だそうで。
本日、板谷駿一放送総局長が、「アイデアを借りた。事前に関係者にあいさつすればよかった」と釈明。
……ってつまりパクリを認めたってことじゃん(^_^;)。
脚本、鎌田敏夫だろ? ホントにそんなシーンあったのか?
と思って、NHK出版の『NHK大河ドラマ・ストーリー 武蔵 MUSASHI』を読んでみる(ドラマ見るかどうかを確認するためにとりあえず買っといたんである)。
ああ、なるほど、「あらすじ」のところに屋敷の主人に武蔵たちが雇われて、盗賊を迎え撃つってエピソードがあるわ。もちろん、こんな話は原作の吉川英治の『宮本武蔵』にはない。「人を斬ることだけに生きてきた男」とか、「雨の中の対決」とか、「切れなくなった刀を捨てては死体から奪って戦う」とか、『七人の侍』を彷彿とさせる描写は確かにある。
……これを「オマージュ」と言って済ませるってのは、いい度胸してるな。野盗から村を守るために百姓が浪人を雇った、というのは歴史上の事実である。だからその設定はパクリとは言えない。けれど、キャラクターや状況設定まで同じってのは言い訳はきかないよなあ。つい似ちゃったってことじゃないんだもん。
民放のテレビ番組って「バレなきゃいいじゃん」式の盗作が横行してるから、鎌田さん、長らくその習慣に馴らされてて、別に批判なんて出ないんじゃないかと高を括ってたんじゃないか。
『武蔵』もいろんなバージョンの名作が過去にありすぎるくらいあるからねー、差別化を図ろうとしての失敗って感じだね。
そう言えば、『七人の侍』もハリウッドでリメイクの予定だそうな。『荒野の七人』みたいに西部劇にするのでなくて、現代を舞台にするってことだけど、今のアメリカで「侍」にあたるのっているんか。退職刑事たちがノースダコタあたりの田舎街をギャングから守るとか、そういう話にするんか。
どうやったって、『疾風の用心棒』の二の舞になっちゃうぞ。やめときゃいい企画があっちこっちで進んでるよなあ。
今日こそは仕事に出かけるつもりが、咳が昨日以上に悪化。というわけで不本意ながら(ホントだよ)今日も仕事を休む。
クスリも飲んでおとなしくしてるのに、どうして治らないのだ。
ウチがウィルスの巣にでもなってるのか、それともなんかに取り憑かれてるのか。
DVD『You Are The Top 〜今宵の君〜』。
三谷幸喜作・演出の舞台のDVD化。
コピーに「深夜のリハーサル室 ピアノの前に集まったのは作詞家と作曲家と
一人の死んだ女……」とあるから、てっきり幽霊モノかと思ったら、戸田恵子は「回想の中の人物」として出てくるのだね。
キャストは作詞家・杉田吾郎に市村正親。作曲家・前野仁は浅野和之。女優・笹目にしきには戸田恵子。
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01月22日(水)
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