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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■肉食ったのよ〜肉食ったのよ〜肉食ったのよ〜(エコー)/『なんてっ探偵アイドル』11巻(北崎拓)ほか

 しげの「肉食いたい」病がまた激しくなってきたので、正月でもあるし、ちと豪勢な肉を食いにいくことにする。
 板付のサトー食鮮館、ここはレストランとも直結してるんだが、まあちょっと庶民が頻繁に来れるような店ではない。なんたって、一番安い肉でン千円、佐賀牛のサーロインステーキときたら、1回の食事で3日分の食費は吹っ飛ぶようなシロモノだ。で、フンパツもフンパツ、そいつを二人で注文したわけだ。
 日頃スーパーで500円パックのやっすい肉ばかり食ってるしげ、どぎまぎして「いいと? ホントに食べていいと?」と何度も私に念を押してくる。
 「たまにはいいじゃん」と、私も足の震えをゴマかしながら(^o^)、心の中では「今のこの1/10のヒトキレだけで、ン百円」とか計算しながら、表面上は冷静に肉を食う。
 でもしげには、たまにはいいものを食って、肉にもピンからキリまであるってことを知ってもらいたいんである。ともかくしげの偏食はかつての貧乏生活の悪影響であることはハッキリしているのだ。
 食事を食べながら、しげが私に聞く。
 「オレたち、またここに来る?」
 「またな。でもしょっちゅうはムリだぞ」
 どうもしげにはまた一つ「夢」が出来たらしい。「いつの日かまたこの店に肉を食いに来るぞ」という。いいよなあ、人生の最高の希望が「食欲を満たすこと」つてやつはよう、悩みがなくて。
 でもしげを見ていると、一見大層に見える政治や経済の諸問題や、新聞紙面を賑わす社会的に重大な事件も、実はほんの些細なチッポケなもので、世の中のオトナたちの悩みというものが全部卑小に見えてくるからフシギだ。
 実は世の中に悩まなきゃならない問題なんてないんじゃないのか? みんな、ムリヤリ悩みのネタを捻り出してるだけであって。
 まあしげは単になにも考えてないだけだろうけど。

 食事後、「食鮮館」のほうで、買い物。
 近所のスーパーでは見つけられなかったゴマシオふりかけを見つける。
 「やっぱ、オニギリにはゴマシオだよな」
 「そうなん?」
 「これで夜食にオニギリでも作ってくれん?」
 「そんなにオニギリが好きなん?」
 「オニギリが好きなんじゃなくて、おまえの手料理が食いたいんだよ! 『オニギリという食べ物は世界で一番いやらしい』んだよ!(by『パイが好き!』) いくらなんでもオニギリくらいは作れるだろ?」
 「作れるけど、形、ヘンだよ?」
 「ヘンなのが気になるなら、おにぎりの型に入れてもいいよ。でもオレは形は気にせんから。オマエが握ったんなら、それで充分なんだって。それに別に毒を盛る気はなかろ?」
 「盛らんけど」
 「けど、なんだよ」
 「オレが作るんよ? 美味しいと?」
 「コメ握るだけだろ! どうやったら不味く作れるんだよ!」
 ……まあ、しげの才能だとオニギリでもゲロマズにしてしまう危険性、なきにしもあらずではあるかもしれんが。


 テレビで『ダウンタウン777』。
 松本人志ほかのアイデアマンが、パネラーたちに何らかの「提案」をして、50%以上の賛同を得られたら百万円ゲット、という企画。
 糸井重里が「老人のための菜園マンションを」と提案したのが百万円ゲットしたほかは、軒並みアウト。ラサール石井も「高校から進路選択性を」とやって、低指示。ラサールさんの意見は私と共通するところが多いのだが、悪平等の抜け駆け好きな日本人に「学力なんて要らないじゃん」と言ったって通じるわきゃあないのだ。
 松本人志は「野球中継を引き伸ばして後番組を延長・カットするな!」と主張するが、そのためのアイデアが全くない。そこを突っ込まれてシドロモドロになるのだが、そのドツボにはまって「ウロがきてる」様子が最高に面白い。やっぱりこのひとは「狂わせて」面白くなるキャラなのである。ヘンに道学者めいたこと語らせて、その浅薄な知識、アホな意見を晒させてバカ扱いされるより、ちゃんと「既知外をイジって遊ぶ」パターンを確立させてった方がいいんじゃないかな。少なくとも活字本はもう出さなくていいよ。


 マンガ、北崎拓『なんてっ探偵アイドル』11巻(小学館/ヤングサンデーコミックス・530円)。

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01月08日(水)
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