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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■肉!肉!肉!(トラ!トラ!トラ!)/『新世紀エヴァンゲリオン』8巻(GAINAX・貞本義行)
ビデオが殆ど残っていない今、このコント集は在りし日のてんぷくトリオのギャグを伝えるものとして貴重なのだが、井上ひさし自身のギャグレベルは、実はそんなに高くない。三人の間と体技で面白く見せていたのである。どこかのテレビ局に眠ってないかなあ、当時の演芸番組とか。
その本を注文したとおぼしき女性の方からも感謝されたが、とうの昔に絶版本だろうから、果たして手に入るかどうか。
腹をすかしたしげをなだめるために、リバレインの柳川屋でウナギ。
ここに来るのも本当に久しぶりで、注文したのは当然櫃まぶし。
しげは普通にうな丼の梅を頼む。値段を見て控え目にしたのだろうが、胃が心肺を圧迫するほどに肥大しているしげがそんなもので足りるわけがない。
私が「味見するか?」と差し出したまぶし飯を、サラリと一杯平らげる。
「ねえ、この『松』とか『特上』とか、どう違うの?」
「そりゃ、ウナギの量が違うんだよ」
そこでしげ、無言になってしまったが、どうせ「特上ってどれだけウナギが乗ってるのかなあ、頼んでみたいけど値段が高いしなあ、それでもってたいしてウナギが乗ってなかったりしたらガクーンってなっちゃうしなあ」とか下らないことを考えているに決まっているのだ。
キャナルでしげの買い物につきあう。劇団のみんなにクリスマスのプレゼントを買ったらしい。
そのあと、天神東宝に回って、『ゴジラ×メカゴジラ』、二度目の鑑賞。
なんでまた、と思われるかもしれないが、エロの冒険者さんがホームページの日記で絶賛されていたので、しげが「エロさんが誉めてるなら見なくちゃ」と言い出したのである。
私がすっかり口を噤んでいるというのに、亭主の言は信頼しないってか。いや、ほんのちょっとでもしげが「面白い」と思ってくれて、「DVD買おうよ」と言ってくれるんだったら万々歳なんだが……。
『ハム太郎』は前回も眠くなったが、今回もウトウトしてしまう。ドラマにメリハリがないのだな。
『釈ゴジ』も二度目なので眠くなる。前回もそうだったが、エンドクレジットが流れ出すと、家族連れはゾロゾロとみんな帰って行く。ちょうどラストシーンが流れ出す直前に席を立った親娘がいて、釈が再び登場した瞬間に父親の方がピタリと足を止めた。娘が怪訝そうに父親を見る。
「ねえ、どしたの? 帰ろうよう」
「うん」と言いつつ父親、その場を動かずに画面に見入っている。
「帰ろうよったら、帰ろうよう」
「うん」やっぱり父さん動かない。そんなに釈が見たいか。
そもそもエンドクレジットが終わるまで席を立たないってマナーをしつけてない親の方がよくないよな、これ。
しげの映画の感想は聞かずともわかったのであえて声をかけない。
売店を覗いて、何かしげがほしいのあるかと思ったが、「特にない」と言う。
「帽子は?」と聞いたが「カッコ悪いから要らない」と切って捨てる。
やっぱりなあ。こないだ買わんでよかった。
ストラップにまで手を出していたらキリがないので、結局、今回はグッズ類は一つも買わず。
そのあとベスト電機のLIMBで予約しておいたDVDを購入。
最近は紀伊國屋で買った方が10%引きで安いので、あまりLIMBでは予約しなくなっているのだが、こちらの店員さんとも顔馴染になっているので、まだ予約を途切れさせられないのである。待望の『帰ってきたウルトラマン』1〜3巻を入手。
そのまま店を出ようとしたら、しげが幽鬼のような形相で、背後からフライングクロスアタックをかけてきた。
グエッと呻いて床に突っ伏した私のアゴをグイッと引き上げて、しげ、「買え〜! これを買え〜!」と1枚のDVDを持って叫ぶ。
鼻血を垂らしながら薄目で見たそのDVDは、『We are the world』。
「……な、なんでこんなのを?」
“ボランティアに回すカネがあったらオレに寄越せ”がモットーのしげが、なぜ『We are the world』? と、誰もが疑問に思うであろう、そう思わず聞いた私に、しげは不敵な笑みを浮かべて、あたかも味皇様のごとく咆哮した。
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12月21日(土)
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