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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■偽善者の宴/『探偵学園Q』6巻(天樹征丸・さとうふみや)/『虹の子』(石ノ森章太郎)ほか
いや、西村さんを受け入れるなって言いたいわけじゃないよ。けどね、いい悪いは別にして、「西村知美」という名前を出しただけで、思わず「ぷっ」と吹き出してしまう雰囲気が以前には確かにあったはずなんだよ。でもこの「100キロマラソン」の企画、「西村知美を笑うなキャンペーン」というか、そういう反応をすることを許さないムードをテレビが故意に作り出そうとしている感じがあって、そこがまたどうにも偽善的でいやらしいって気がしちゃうんでねえ。
西村知美がいかにこのマラソンに対して一生懸命になったかってことをドキュメントで紹介してるんだけれども、これがどうにもクビを捻りたくなる造りなんだよ。どうにも疑問なのは、どうして彼女のこれまでのタレント生活まで紹介する必要があるの?
天然キャラが災いして、デビュー後数年は人間関係に悩んだとか、そんなことを放送して、何がどうボランティアと関わると言うのか。『24時間テレビ』は西村知美の宣伝のためにあるわけじゃないじゃん。それに、そういうキャラで「売った」以上は、泣き言を言うのはプロとしてどうかと思うんだが。
もっとも、誰が走ろうと、それがそもそもどうボランティアに関わるんだよって疑問自体があるんだけどね。
私も、『ドン松五郎の生活』のころの西村知美の美少女ぶりに眼を見張った過去があるから、今の「西村知美は何をしたいのか?」って状況にちょっと哀しいものを感じているのである。どの記事を見てみても「“タレント”の西村さん完走」と書いてあるが、アンタもともと「女優」でしょうが。と言っても西村さんの最新作って『スペースカッタくん』しか知らない(^_^;)。
西村知美の走る姿に誰もが感動したということは、「女優としての西村知美」は求められていない、ということでもあるのだ。感動を押しつけられたことでイロモノとしての価値も捨てさせられた。「感動の人」というレッテルは、役者にとっては決して有利には働かない。歌手である研ナオコはともかく、間寛平が「コメディアンとしてはもう完全に死んでいる」、いや、「殺してしまった」事実をテレビ局は自覚しているのだろうか。
西村さん、その轍を辿って行きそうな気配が濃厚なんだよなあ。偽善にうっかり乗っちゃうと、生きる道が閉ざされることもある。そうなってほしくはないんだけどなあ。
マンガ、天樹征丸原作・さとうふみや漫画『探偵学園Q』6巻(講談社/少年マガジンコミックス・440円)。
しげに「ねえ、5巻は買ってたかなあ?」と聞かれるが、即答できない。
正直な話、ツマラン漫画は買って読んでも中身をすぐに忘れてしまう。『Q』ファンには悪いけれど、やっぱりマジメにミステリを読んでるファンなら、どれくらい出来が悪いかは共通認識として持っちゃうよ。
これまでの日記を読み返そうとしたが、これがもう膨大な量で、とても見つけられるものではない。誰だ、こんなにムダなことばかり書いてるやつは(^_^;)。
しげが仕事に出かけて、部屋の中の本の山をひっくり返してようやく5巻を見付ける。読み返して忘れちゃってたのも納得。特につまんない内容だった(^o^)。
今巻第一話は前巻からの続き、『Q対A延長戦』。
直接トリックとは関係ないけれど、事件のきっかけとなった氷川美鈴墜死事件、露店風呂から崖下の岩場に落ちて死んだにもかかわらず、体に巻いたバスタオルが全く乱れていない。こりゃてっきり犯人が死体に何かしたんだな、と思ったら全然そういう説明がなかった。
こりゃどういうわけ? と首を捻ったが、ハッと理由に思い至った。
アレだ、ヌードがマガジンの出版コードに引っかかるのだね。でもおかしいよなあ、ヌードを出せないなら、露店風呂を舞台にしなきゃいいのに。謎解きミステリとしてはこの描写は明らかにアンフェアだ。
それとも、被害者はわざわざバスタオルを体に解けないほどにキツク巻きつけて墜落したと解釈してやらなきゃならんのかね? 読者に甘えちゃいかんよ。
それはそれとして、肝心の中心トリックは、チャチだけれど明確なミスはない点で一応の評価を下せる。密室を作る必然性も「事故死と思わせるため」(警察が本当にそう思ってくれたのは御都合主義だが)と、筋は通っちゃいる。
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08月19日(月)
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